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「ゴリラのように活躍したい」3年目の捕手・谷川原健太の魅力

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/09/25
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負けたくないライバルの存在

 2軍で頑張っていた時期に「いつでも1軍は狙っています」と目をギラつかせていた谷川原捕手。今年はキャンプ終盤でA組に合流し、オープン戦にも出場しながら開幕1軍を逃してしまいました。自分の実力不足を痛感しましたが、2軍で摂津投手や中田投手といったベテラン投手とバッテリーを組む中で日々学び、成長を続けてきたのです。

 その先輩投手たちも谷川原捕手の成長を実感しています。

 中田投手は「タニはちゃんと自分の考えを持ってリードしてるし、毎試合毎試合勉強して進化してるよ」と話していましたし、攝津投手には「この配球はよかったね」と声を掛けてもらったこともあったそうです。

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 そして、谷川原捕手が「負けたくない」と強くライバル視しているのは、やっぱり年齢の近い栗原捕手です。

「くりさんに負けたくないんです。くりさんより早い打席数で初ヒット打ってみせます」

 栗原選手は9月6日のロッテ戦で、プロ6打席目で初安打をマークしました。2人は“打てる捕手”として切磋琢磨するチームもファンも熱く期待を寄せる20代前半の若手捕手。他にも彼らに共通するのが“いじられキャラ”なところです。おしゃべりな栗原捕手と、口数はそんなに多くない谷川原捕手とでタイプは違うんですが、共に周りを和ませる能力の持ち主。

 事情通なチームスタッフの証言によると、栗原捕手は盛り上げようと張り切るけど、スベって笑いを呼ぶタイプ。対する谷川原捕手は天然タイプ。谷川原捕手は初昇格の日に試合前の円陣で声出しを任されました。本人はいたって真面目に普通のことを言っているのに、その輪からはなぜか笑いが起きたそうです。彼らがいるだけでベンチの中がパッと明るくなるような気がします。

家族で立てた目標

 また、プロ野球選手として成功する選手たちはどこか強運を持っています。

 1軍に初昇格した当日は、たまたま父・啓将さんが愛知から福岡へ息子の応援に訪れる日だったのです。ただ当初の予定通り、昼間はタマスタ筑後で2軍戦を観戦して(息子さんはいないのに・笑)、夜はヤフオクドームへハシゴ観戦。息子の初の1軍には「今年はもう無理かなと思っていたけど、こんな大事な時期に上げてもらって……」と感慨深そうでした。

「3年以内に1軍に上がろう」

 それが家族で立てた目標だったそうです。3年目の終盤、見事にその目標を果たすことが出来ました。次の目標は「4年目に1軍に定着」すること。

 家族の応援にも力をもらい、この貴重な経験も糧に更なるステップアップを目指します。

バント練習中の谷川原健太 ©上杉あずさ

 ちなみに“鷹のゴリラ”と言えば、城島健司さん。福岡ダイエーホークス時代、ゴリラをモチーフにした城島選手のグッズもありました。名実ともにチームの顔だった城島さんのように“打てる捕手”を目指して、これからたくさん経験を積んで欲しいです。タニゴリグッズの発売にも期待しています。

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