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認知症の高齢ドライバーから「一律に免許を取り上げてはいけない」理由

高齢ドライバーの「運転行動チェックリスト」付き

2018/09/11

 高齢者が引き起こす交通事故が後を絶ちません。高齢の親が免許を持っていて、あちらこちら運転して出かけていく。本当に大丈夫なのか、事故を起こさないだろうか、そんな不安を抱いていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。特に、認知症や認知症の疑いがある場合、周囲は気が気でないかもしれません。高知大学医学部精神科講師で、認知症専門医の上村直人医師に「高齢者と運転免許」について、お話を伺いました。

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何歳からが「高齢ドライバー」なのか?

 そもそも、「高齢ドライバー」とは、何歳以上のことなのでしょうか。警察庁の交通事故統計では65歳以上を高齢ドライバーとしていますが、もみじマークは70歳以上の人の努力義務、認知機能検査は75歳以上の人に課せられるなど、現行の制度ではバラバラです。

 上村医師は、「75歳以上」の人、つまり後期高齢者を高齢ドライバーだと位置づけます。

「政策上は65歳以上となっていますが、加齢による白内障や緑内障、耳の病気が出てきて『見えない・聞こえない』といった問題を抱えている人が75歳以上になると増えるのです。こうした身体的老化が出てくると反射神経が鈍るので、認知症か否かに関係なく、運転能力に影響を及ぼします。また、75歳以上になると認知・予測・判断・操作に問題のある人が多い。後期高齢者は1600万にも上りますが、その増加に伴って事故も増えていると感じています」