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「安倍3選」の泣きどころ 産経も揺れたプーチン“アドリブ攻撃”で露呈した「総理の弱点」

モリカケを始末できていない政権は、何ができるのか

2018/09/21

 不穏試合。ガチンコやシュートマッチ。

 解釈は多様だが、今回は「相手が急に仕掛けてきた試合」という意味にする。昭和のプロレスでたまにみられたが、私たちの会話や討論でも起こり得る。

 政治の世界にも不穏試合はある。だから政治家は「有事」に備え、討論で鍛えながらアドリブ力を磨くのだろう。

プーチンの「アドリブ攻撃」とは何か?

 先日のプーチン大統領が安倍首相に放った「平和条約」発言はまさに不穏試合だった(東方経済フォーラム・12日)。

官邸HPより

 プーチンは芸が細かい。北方領土問題についての見解を聞かれたときだ。

《「今、思いついた」》

 と言ったあと、

《「あらゆる前提条件をつけず、年末までに平和条約を結ぼう」
プーチン氏は「争いのある問題はそのあとで、条約をふまえて解決しようじゃないか」とたたみかけた。》(朝日9月13日)

 いきなり仕掛けられた安倍首相は「困惑したような笑みが浮かんだ」(朝日)、「その場で、首相から発言はなかった」(読売 9月13日)。

シュートマッチは予告されていた

 日本は「北方四島の帰属問題を解決して平和条約を結ぶ」という立場である。

柔道を観戦するふたり 官邸HPより

 ロシアも認識してたはずだが、今回の引き金は、安倍首相の「今までのアプローチを変えるべきだと決意した」という発言だったという。プーチン氏は「シンゾーがアプローチを変えると提案した。そうしよう!」と言った。会場のロシア政府関係者やビジネスマンからは大きな拍手がわき上がった。(朝日要約)

 さらに、こんなゾクッとする証言があった。

「日本の経済協力がこの程度ならば、次にウラジオストクでフォーラムが開かれるときに、大統領が不満を吐き出すかもしれない」

 あるロシア政府関係者が今回のフォーラム開催よりかなり前の段階でこんなことを口にしていた(毎日 9月14日)。

 今回のシュートマッチは予告されていたのだ……。

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