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巨人は高橋由伸をこのまま終わらせてしまっていいのか?

文春野球コラム ペナントレース2018

 この原稿は2018年10月3日午前に第一稿が書かれ、4日未明に大幅修正したものである。そのわずか十数時間で「巨人・高橋由伸監督」の運命は変わった。

「なんか、東京ドームで負け試合ばかり見てる気がするよね」

 今シーズンは周りの巨人ファンからよくそんな台詞を聞く。2018年は東京ドームで30勝33敗1分け。本拠地での負け越しは今世紀初。ちなみに2012年は47勝11敗6分け、13年は39勝21敗4分けとホームで大量の貯金を稼いでペナントを独走していたわけだ。

 つまり、今の巨人は弱い。まるで地球は青い的なド直球の始まり方だが、現在2試合を残し、141試合で65勝71敗5分けの勝率.478。結構負けたイメージのある昨季でさえ72勝68敗3分けで貯金4だった。スポーツ報知記録室によると「シーズン負け越しは9度目、70敗以上は5度目。ともに12年ぶりの屈辱」らしい。つまり、我々は長い歴史的にもレアな「弱い巨人」を見ていることになる。って事実を書いてるだけなのに心が折れそうだが、キャプテン坂本勇人が打率.341と球史に残るショートストップとなり、若手さえ育てば……と言われ続ける中、ようやく22歳のスラッガー岡本和真が3割30本をクリアして、あの斎藤雅樹以来の年間7完封で2年連続の沢村賞も狙えそうなスーパーエース菅野智之がいるにもかかわらず、“借金6”なのである。

 現在、DeNAと3位争い中だが、過去に長い球団史で2年連続Bクラスはたったの1度のみ。2005年と2006年の堀内監督から第2次原政権への変わり目だったが、この時の巨人はチーム再建の切り札としてFAでガッツ小笠原、トレードで谷佳知を獲り、翌オフにはラミレス、グライシンガー、クルーンら同リーグの助っ人軍団をかき集めた。ゴメン、無茶苦茶な補強である。SNSがあったら炎上間違いなし。

 今の球界で言ったら、広島の丸と西武の浅村とヤクルトのバレンティンを同時獲得するみたいなデタラメさだが、残念ながらもうそういう能天気なジャイアンツ・アズ・ナンバーワン時代は終わった。これまで、チームがヤバくなるとナベツネさんとミスターの強引さ……じゃなくてFAと逆指名ドラフトで立て直してきたが、近年は大物FA選手は逃し続け、ドラフトもクジで外しまくっている。そんなハードな時代に巨人監督を引き受けたのが、高橋由伸なのである。

ハードな時代に巨人監督をやっている高橋由伸 ©文藝春秋

巨人ファンに“来季の由伸監督”について緊急アンケート実施!

 15年秋、球界を揺るがした賭博事件発覚の直後に、現役引退して即監督就任。主力の多くは年齢的にピークを過ぎ、昔のように強引な補強も上手くいかず、ドラフトで獲得した即戦力候補の投手もほとんど1軍で戦力になれていない。繰り返すが、そんな時代に巨人監督をやっているのが、背番号24なのである。

 さて、巨人ファンは就任3年が経過した由伸監督をどう見てるのだろうか? Twitter上で10月2日に由伸監督について緊急アンケートを実施したら、“頼む来季も続投を”17%、“今季Aクラスなら続投で”8%、“来季は新監督に交代を”30%、“監督続投、コーチ入れ替え”45%という結果だった(総投票数6879票)。そうか、75%のファンが今の首脳陣に何らかの変化を求め、惨敗の落としどころとしてせめて一部のコーチ交代を……といったところだろうか。アンケートのリプ欄には、「選手時代に好きだった由伸をこれ以上嫌いになりたくない」という声も多かった。

 確かに広島戦だけで借金11、ヤクルト小川に4敗、DeNA東に5敗とプロとして悲しいくらい無防備に同じ相手に負け続けた。終盤の重要な試合でひたすら澤村やアダメスに投げさせた不可解なベンチワークや、いわば憎まれ役を引き受けた村田真一ヘッド兼バッテリーコーチも具体的に何をやってるのか謎だ。監督は高校教師のようなクールな表情でメモをとり、コメントも素っ気なく、「4番岡本」にこだわった功績以外はいまいち何を考えているか見えてこない。

 ただ正直、それらの不満は数多くあれど、冷静に戦力を見たら、仮に由伸監督以外の誰かが今の巨人の指揮を執っても優勝できたとは思えないのも事実だ。来季は強かった頃の伊原春樹ヘッドコーチ的な百戦錬磨の経験豊富な人材を迎え、補強面も含めたサポート体制を整えた上で、2019年のヨシノブリスタートに期待したい……と能天気に書いていたら、3日夜に飛び込んで来たのが「由伸辞任」のニュースだった。先週、山口オーナーに自ら「3年間優勝から遠ざかっているので、責任を取って辞めたい」と伝えたという。スポーツ各紙によると、後任は4年ぶり3度目の指揮となる原辰徳氏が有力視されている。