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さよならは早すぎる オリックス・佐藤世那の“独特なフォーム”をもう一度

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/10/15

 今シーズンのオリックス・バファローズは4位という結果に終わってしまいました……。ファンとして、CS出場が叶わなかったことはとても残念でした。来シーズンはなんとかAクラス入りに向けて頑張ってほしいものです! そして、その為にはFAによる補強も大事と思いますが、補強にばかり目を向けるのではなくて、できれば今いる選手の育成にも力を注いでほしいと思います。

 さてさて、今回の文春野球コラムの本題に移りましょう。シーズンが終わりに近づくにつれて、プロ野球の表舞台の華やかさとは裏腹に、戦力外通告を受ける選手の報道が出てきましたね。オリックス・バファローズの戦力外通告を受けたメンバーの中に気になる名前があったので、今回はその選手を取り上げたいと思います。

ダイナミックなフォームで投げる夏の甲子園準優勝投手

 2015年夏の甲子園で準優勝に貢献した仙台育英高校のエース佐藤世那という選手を覚えていますか? 高校野球ファンの方は覚えている人も多いかと思います。甲子園だけでなく、その年のWBSC U-18ワールドカップでは小笠原慎之介投手(中日ドラゴンズ)、高橋純平投手(福岡ソフトバンクホークス)、高橋樹也投手(広島東洋カープ)、成田翔投手(千葉ロッテマリーンズ)といったそうそうたる好投手の面々がいる中でアメリカとの決勝戦のマウンドに立った、まさにエースのような活躍をした投手です。

 その投手が、今年オリックス・バファローズから戦力外通告を受けてしまいました。佐藤投手は私がBsgirlsに入った2016年にオリックス・バファローズに入団してきた選手です。 2015年の高校野球の試合は結構たくさん見ていたことと、私がBsgirlsに入った時期が同じだったことで、私個人的にはすごく思い入れがある選手でした。

戦力外通告を受けた佐藤世那

 高校時代の彼を思い出す時、真っ先に思い浮かぶのが大きなテイクバックからくり出すあのダイナミックなスリークォーター気味の投球フォームです。一般的に故障しやすいと考えられている、肘をたたまないで投げる「アーム式」の投球フォームですが、投げっぷりがとても良く、気持ちの良い投球フォームで私は好きでした。

 プロに入ってからは、以前の投球フォームからサイドスローやアンダースローに転向しており、「なぜ昔から投げていたフォームを変更してサイドにしたのだろう?」という疑問がどうしても湧いてしまいます。実際に、プロに入る前にも「アーム式」の投球フォームを変更するようにすすめられても投球フォームを変更しなかったようなので、「アーム式」が一番彼には合っていたのではないでしょうか。プロ入り後、投球フォームを変更した理由として「コントロールが安定しなかったから」「飛躍のきっかけを求めるため」といった内容の記事を見ましたが、高校時代の投球を見ていた私にとっては、「あの鋭く落ちるフォークが武器だった投手がなぜ??」と疑問符でいっぱいでした。

 オリックス・バファローズでは、ここ数年サイドスローへの転向者の数が多く、恐らく変則投手を育てたい意図があるのでしょうか。ただ、その気持ちも理解できますが、このフォームでプロに入ってきているわけだから、フォーム変更はあくまで最終手段では無いのでしょうか。残念ですが、高卒で数年しかプロの時間を過ごしていない選手には、サイドスローに転向させて欲しくなかったと思わずにはいられません。また「戦力外にするにもフォームを変更して1年くらいしか時間が経っていないのに!」と驚きが隠せませんでした。