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銀座ホステスの“オアシス” 深夜の大衆そば「かめや」はオトナの世界

「天玉そば」という名前を生んだ名店

2018/11/13

genre : ライフ, グルメ

 銀座には老舗系のそば屋がかなりある。「コロッケそば」で有名な「よし田」や「せりそば」がうまい「泰明庵」なども人気である。大衆系のそば屋は家賃が高いせいかあまりない。そんな銀座に「かめや」ができたのは平成7年の頃だそうだ。

銀座8丁目でひっそりと営業する「かめや銀座店」
午前10時頃の店内はいつもゆったり

「老舗の味」を大衆系で食べられる

「かめや」は昭和46年に新宿思い出横丁で開業した古参店である。その母体は上野池之端の老舗割烹「亀屋一睡亭」。今では神田界隈、御徒町、新橋など合計6店舗を展開する人気店である。

「かめや」のそばが人気なのにはいくつかの理由がある。手短に答えるならば、「かめやは老舗の味を大衆系で低価格で食べることができるようにしたから」ということになる。

オーソドックスで安心感のあるメニュー

 そば粉は老舗有名店が使用するものとほぼ同等の粉を使用し、つなぎの小麦粉は長期間熟成した粉を使い、自社工場で製麺する。麺は小ロットで茹で、できるだけ茹であげを提供するように心がけている。いつも角の立った太めのコシのある麺を提供できるわけだ。

 出汁は本枯れかつお節を中心に、宗田がつお節、サバ節を少量加えて作っていく。さらに道南、南茅部産の根昆布を使い、味にまろやかさを出している。返しはむらさきがほどよく濃く、甘さは抑え目のものを作る。出汁は1日に何度も店でとり、つゆの味が一定になるように返しと合わせ調整している。

「天玉そば」という名前を生んだ店

 また、「かめや」は「天玉そば」という名前を初めて使った店としても有名だ。「かめや」の天ぷらは低温でじっくり揚げる。そのため揚げ色は浅く、かき揚げはふっくらとしていて揚げすぎるようなことはない。どこの店に行っても、きれいな揚がり具合に感心する。

お気に入りの「冷やし天玉そば」(470円)と魚沼産コシヒカリの「おにぎり」(100円)

 午前9半過ぎに「かめや銀座店」に顔を出すと、いつも店長の慶田城さんが元気に挨拶してくれる。自社工場から配送された大量の温泉玉子を仕分けしていたり、青森産の極太の山芋が山積みされていて、しかも丁寧にすり下ろしたりしている。そんな様子をみながら、午前中はゆったりと食べることができて心地よい。

朝行けば大量の山芋を丁寧にすっている光景に出会える