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【都営バス収入ランキング】ベスト5  収入が多いのはどんな路線?

2018/11/15
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隅田川・荒川、2つの川を渡る

 さて、豊島5丁目団地から再び「王40」系統に乗ると隅田川・荒川と一気に2つの川を渡る。朝の時間帯、橋の付近では王子駅方面へ向けて激しい道路混雑がみられる。さっきの団子になっていたバスはこの道路渋滞に引っかかっていたのだ。

 荒川を渡り終えると、突然住宅地の中の狭い道を走り、日暮里・舎人ライナーの江北駅から西新井駅を一直線に結ぶ。先述の通り、この間に工場がいくつかあり、ここへ通勤する人も多いようだ。

 豊島5丁目団地から約20分。西新井駅に到着した。池袋と雰囲気は大きく変わり、周囲には住宅地が広がり、大規模再開発で生まれたきれいなマンション群もある。

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朝は荒川・隅田川を渡る所でバスが詰まりやすい
荒川を渡る橋ではバスが渋滞に巻き込まれることも

「池袋~西新井」 なぜ収入が1位?

 池袋から西新井を約45分(昼間時)で結ぶ「王40」系統。この路線の収入が多い理由は4つあるだろう。

 1つは、豊島5丁目団地という大規模な団地からの旺盛な需要があること。2つめに団地から駅という片方向輸送にとどまらず、工場・事業所が点在することで双方向の通勤需要が存在すること。

 3つめに東武スカイツリーライン沿線から大型商業施設のある池袋へ向かう需要があることだ。西新井から池袋に行く場合、鉄道では北千住・日暮里を経由していくことになる。しかし、「王40」系統に乗れば1本で池袋駅東口まで直通だ。また、東武伊勢崎線沿線は上野・御徒町や日本橋といった他の大型商業施設が集まる都心部に行くためにも、JR常磐線や地下鉄銀座線への乗り換えが発生したり、日比谷線のように着いた先の駅から商業施設まで距離があるケースが多い。そのため、西新井から池袋へ向かう需要が一定数存在するのだ。

 鉄道に比べ、ショートカットできるバスルートで需要が発生しているケースは他の高収入路線にも見られる。渋谷エリアと六本木エリアを1本で結ぶ「都01」系統や錦糸町駅と東陽町駅を1本で結ぶ「東22」系統がそうだ。

荒川の東側で狭い道を通る「王40」系統