映画『かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発』で肥薩おれんじ鉄道の運転士を目指す主人公を演じる有村架純さん。ハンドルさばきのジェスチャーを交えながら、その演技の難しさや『あまちゃん』『ひよっこ』での鉄道シーンの思い出を語ってくださいました。(全2回の1回目/#2へ続く)

有村架純さんが、鉄道を語った!

「えっ? 出区点検って何?」って感じで……

――運転士役は初めてですよね? どうやって役作りをされたのでしょうか。

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有村 事前に頂いた資料を見たり、自分でネットで調べて女性運転士のインタビューを読んだりしました。もちろん知識はまったくなくて無知だったんですが、一歩踏み込んでみると、ロマンがあるお仕事だなあって感じました。鉄道の中にはたくさんの人の夢やロマンが詰まっているんだな、と。ただ、私が演じた晶も最初は鉄道のことを何も知らない状況から学んで成長していく。だから、私も晶と一緒になって運転士になっていくような感覚でした。

 

――運転士には指差喚呼や鉄道用語など、鉄道員じゃなければ出てこない仕草や言葉が多いですよね。

有村 「ホーム右、ドア閉(へい)、戸締め良し」とかですよね(笑)。実際におれんじ鉄道さんの職員の方が指導してくださったので、そのへんは自信を持ってできました。専門用語も台本とは別に紙を頂いたのでそれを覚えて。でも例えば出区点検のシーンは、台本に「出区点検をしている」程度しか書かれていませんでした。「えっ? 出区点検って何?」って感じで……。ですから具体的にどのような動きをしてどんなセリフをしゃべるのかは、現場で相談しながら撮影を進めました。