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　12年前に、私の方から意識的に連絡を絶った人々がいた。

　浅い交遊だったとは思わない。読売新聞グループのドンの非を記者会見で訴えて、新聞社や巨人の同僚らと決別せざるを得なくなったあと、私と親しかったり、気持ちが通じていたりしていたことが会社にわかると、迷惑がかかるだろう、と思ったのである。

　いつか再会できる日が来ると信じていた。ずっと気にかかっていた、その1人の急逝を2023年1月30日のスポーツ報知で知った。肌を針で刺されたような痛みを感じた。

　それは二面の最下段に2段組みで掲載された、元ジャイアンツ寮長死去という訃報記事であった。

〈巨人は29日、野球振興部参与・ジャイアンツアカデミー副校長の松尾英治（まつお・ひではる）氏が27日午後0時59分、敗血症のため横浜市内の病院で亡くなったと発表した。享年58（中略）

　松尾氏は神奈川県出身。戸塚高からドラフト外で1983年に投手として巨人に入団した。1軍登板はなく、89年に引退。2004〜07年シーズンに1軍マネジャーを務めたほか、育成部統括ディレクター、GM補佐、紀律委員会事務局長、ジャイアンツ寮長などを歴任した〉

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