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60歳になった石破茂はどこへ向かおうとしているのか?

ご存知ですか? きょう2月4日は石破茂議員の誕生日です

2017/02/04

genre : ニュース, 政治

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 自民党所属の衆院議員で、これまで防衛相、党幹事長などを歴任してきた石破茂はきょう2月4日が誕生日で、還暦を迎えた。

 議員生活30周年の節目だった2016年は、田中角栄リバイバルブームのなか“角栄最後の弟子”として各メディアで思い出を語ったり、安全保障政策のエキスパートとして映画『シン・ゴジラ』でゴジラ相手に自衛隊が出動することに異を唱えたりと、たびたび話題を提供した。8月の第三次安倍第二次改造内閣発足に際しては、それまでの地方創生・国家戦略特別区域担当相に代わり農水相として引き続き入閣を打診されたものの、ポスト安倍を見据えて断ったと伝えられる。

自民党大会で安倍晋三を隣に ©山田真実/文藝春秋

 思えば、彼に政界入りを勧めた田中角栄は、1966年に自民党幹事長を辞任してからの約2年間、閣僚や党三役のポストを持たず、新しい国土計画の作成に没頭している。72年の党総裁選出馬にあたり角栄が掲げた「日本列島改造論」はその集大成であった。石破にはそんな師のことが頭のどこかにあるのか。2015年に文庫化された『国難―政治に幻想はいらない―』(新潮文庫)のあとがきでは、「『地方創生』については、近いうちにまた、まとまったものを世に出したい」とも書いていた。

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自民党大会の屋台村「しげる亭」を前に ©志水隆/文藝春秋

 もちろん、角栄が首相になった高度成長期といまとではまるで時代が違う。石破もそれを念頭に「道は狭い。選択肢の幅は狭い。日本に残された時間は長くない。だから今やるべきことをやらなければならない。/私はずっとこう繰り返してきました。決して明るい話ではないことは承知しています。でも、この認識から始めなければならないのです」と、国民にはあえて甘い夢でごまかさず、正直に訴えかけることを肝に銘じている(前掲書)。悲壮な決意ともいえるが、彼はその先にどんな未来を描いているのか。そこに注目したい。

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