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“森サン”からの二つの教えで成長できた――元ドラゴンズ・ジョーダン大いに語る

文春野球コラム ペナントレース2019

2019/09/01
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森サンのような指導者には後にも先にも会ったことがない

――中日ドラゴンズと契約する以前の話を聞かせてください。あなたはダイヤモンドバックス、アスレチックス、レイズを経て2015年12月に中日ドラゴンズと契約しています。ドミニカのウィンターリーグで、森繁和SD(当時一軍ヘッドコーチ)と初めて会った時のことを覚えていますか?

「もちろんだ。初めて森サンに会ったのは、2015年のドミニカウィンターリーグ、その時俺はエストレージャス・オリエンタレスでプレーしていた。森サンは何人か日本人選手も連れてきていたな。そこで初めて森サンに声をかけられて、俺にピッチングのことを教えてくれた。試してみたら、抜群に良くなってね。すぐに彼に心酔した。契約の時も、出来高を含めてだけど、俺にとって十分な金額を用意してくれたよ」

――来日してからは、森さんはどんなアドバイスをあなたにしていましたか?

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「“試合をリスペクトしろ”そして“持っている力を全部出せ”、この二つはよく言われていたね。俺は言われた通り、いつも全力を尽くしたよ。だから日本で成功を収めることが出来たし、投手としてより成長することが出来たと思っている。森サンはいつも俺たちドミニカンに良くしてくれた、俺にとってはコーチというより父親のような存在だね。そんな指導者は後にも先にも彼くらいしか会ったことがない。ドラゴンズファンにも感謝しているよ、俺が登板すると必ず温かく迎えてくれたからね」

帰国後も中日ドラゴンズの帽子を愛用しているジョーダン ©️Jordan Norberto

――あなたは今年中日ドラゴンズに入団したエンニー・ロメロ投手とも、度々インスタライブで会話をしています。以前から知り合いだったんですか?

「ああ、レイズでチームメイトだったんだ。彼がドラゴンズと契約した時もアドバイスを送ったよ、“自分を律して、全力を尽くせばお前なら絶対に成功する”とね」

――中日ドラゴンズ在籍当時、度々投手陣とBBQに行っている様子が選手のSNSにアップされていました。助っ人外国人選手にしては珍しいと思います。

「そうかもな」

――最近もあなたは伊藤準規選手と祖父江大輔選手の写真をインスタにアップしていましたが、特に小笠原慎之介選手と仲が良かったですよね。彼は未だにインスタのトップ画をあなたとのツーショット写真にしているほど、あなたのことを尊敬しています。彼に一言メッセージをいただけますか。

「もちろん。シンノスケとは、今も連絡を取り合っているよ。今季は怪我で苦しんでいたことも知っている。シンノスケ、お前はまだ若い、それは野球選手にとってとても大切なことだ。集中して、一貫性を持って練習を続けるんだ。そうすれば、お前ならピッチャーとしてスーパースターになれる。自分を律して頑張ってくれよ!」

――ありがとうございました! またあなたのピッチングを見られる日を楽しみにしています。ウィンターリーグも頑張ってください!

「ありがとう。日本に戻る準備は万端さ、待っててくれよ」

中日ドラゴンズ投手陣との食事会の様子、名古屋での日々はジョーダンにとってかけがえの無いものであった ©️Jordan Norberto

 ジョーダンにまた野球場で会える。もしかしたら、ちょっとお金を使いすぎたから復帰するのかもしれないけれど、それでもジョーダンが野球選手としての活動を再開するのなら、例え他球団に加入するとしても応援したい。そう考えるドラファンは多いと思います。ドミニカのウィンターリーグは、毎年10月に開始。NPBの試合がない間、その声援を少しだけドミニカに送ってみてはいかがでしょうか。

 なお、今回は東京ヤクルトスワローズ長谷川晶一監督との対戦だったため、折角なので両チームに所属したジョーダンに“スワローズでの思い出は?”“スワローズファンに一言”などの質問を投げてみたものの、スワローズ関連の質問には一切回答を得ることが出来ませんでした。スワローズファンの皆様、ご査収下さい!!

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