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韓国の怒り「パラ五輪メダルが旭日旗を連想」論争が抱える“3つの危うさ”

韓国の怒り「パラ五輪メダルが旭日旗を連想」論争が抱える“3つの危うさ”

2019/09/12
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もし旭日旗を問題にするならば……

 すなわち、(1)旭日旗だけではなく、植民地統治に使われた日の丸なども侵略の象徴だと批判する。(2)もしくは、軍隊ではないとされる自衛隊が、なぜ軍旗だった旭日旗をそっくりそのまま継承しているのかと追及する。

「旭日旗=ハーケンクロイツ」よりも、こちらのほうがまだ理屈としては通っている。

 いずれにせよ、政治運動のロジックには警戒しなければならない。運動家は、われわれの感情をたくみに刺激して、みずからの運動を盛り上げようとする。

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©文藝春秋

 それは、日本でも同じだ。先月の韓国国会で、東京大会における「旭日旗の持ち込み・使用禁止」を求める決議が行われたが(大会組織委は禁止せず)、こんどは日本で「これに対抗せよ」とあえて旭日旗を持ち込もうとする動きが起こっている。これでは、旭日旗は敵と味方を分ける記号でしかない。

 あれだけ後生大事にしていた日の丸はどこに行ったのか。だいたい五輪なんぞは、利権にまみれたスポーツ貴族の茶番とさんざん批判されていたはずだ。そんなもので熱くなってどうすると言ってみたくもなるのである。

※本文の注釈に木村幹・神戸大学大学院国際協力研究科教授の論文を掲載していましたが、正確な引用ではなかったため、削除しました。お詫びして訂正いたします。(9/12 12:00)

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