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韓国の怒り「パラ五輪メダルが旭日旗を連想」論争が抱える“3つの危うさ”

2019/09/12

 韓国の障害者スポーツ団体・大韓障害者体育会は今年8月、東京パラリンピックのメダルのデザインが旭日旗を連想させるとして、国際オリンピック委員会と大会組織委員会に抗議すると発表した。

2020年東京パラリンピックのメダルの表面。左から銀メダル、金メダル、銅メダル ©時事通信社

 これはたいへん危うい動きである。そもそも旭日旗には明確な定義がない。その上に「連想」といってしまうと、「あれもこれも旭日旗だ」と切りがなくなり、不毛な言い争いにつながるだろう。

旭日旗を明確に定義すべき

 辞書を確認してみよう。旭日旗は、「旭日=朝日を模様化・図案化した旗」などと実に簡単に定義されている。そこには、太陽から出ている光線の数も、太陽の位置も、色使いも、なにも定められていない。

 これでは、旧日本軍の連隊旗や軍艦旗だけではなく、大漁旗や朝日新聞の社旗、それに類似したデザインの旗だって旭日旗になりかねない。

 事実、日本の外務省は、今年5月に公開した広報資料で、北マケドニア共和国国旗、アリゾナ州旗、ベネズエラ・ララ州旗、ベラルーシ空軍旗なども「旭日のデザイン」の例としてあげている。

「世界で広く使用されている旭日のデザイン」(外務省HPより)

 旭日のデザインは世界的に使われているのに、日本のそれだけ批判・禁止するのはナンセンスではないか――。日本政府はこう言いたいのだろう。

 こうした反論に対応するためにも、旭日旗を批判するものは、そのデザインなどを明確に定義すべきである。連想云々の妥当性は、それから議論しても遅くはない(もっとも、このメダルのデザインが旭日旗に似ているかはかなり疑問だが)。