10月12日深夜、台風19号による豪雨で神奈川県川崎市のJR武蔵小杉駅周辺は広範囲にわたって冠水被害に見舞われた。

武蔵小杉周辺のマンション地下駐車場には泥水が流れ込んだ(後出「P」とは別) ©文藝春秋

 武蔵小杉といえば、タワーマンションが続々と建設され、景観のよいセレブなニュータウンとして、近年は「住みたい街」ランキングの上位に入るなど人気の街となっている。

「約10年前からタワマンラッシュで街は一変しました。それまでは工場の跡地だった。さらにその数十年くらい前は一帯沼地だった。そう考えるともともと冠水しやすいところではあるんです」(武蔵小杉で50年暮らす地元住民)

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 駅前にある48階建ての人気高層マンション「P」。コンシェルジュが常駐し、シアタールームやキッズルーム、温泉とサウナを完備。上層階は価格1億円を超える高級マンションで、全体では約600世帯が暮らしている。

武蔵小杉駅前にそびえ立つ「P」 ©文藝春秋

「12日は夜9時ぐらいから、叩きつけるような雨と吹き荒れる風でマンションがグラングランと揺れて、とても気持ちが悪かった。でも下からは消防車のサイレンの音が絶え間なく鳴り響いていて、外に出るほうが危険だと思い、嵐が過ぎ去るのをおとなしく待っていました」(高層階住人)