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“アニソン界のレジェンド”串田アキラ73歳が明かす「レコーディングでダメ出しだらけだった30代の頃」

串田アキラさんインタビュー #1

2019/11/06
note

「あの詞があったからこそ、僕も歌いやすかった」

――ヒーローの優しさといえば、『サンバルカン』も『ギャバン』も山川啓介さんによる詞がとても優しかったですね。『ギャバン』なら「おれもお前も名もない花を 踏みつけられない男になるのさ」とか、単に強さを歌い上げるだけの歌詞ではありませんでした。

串田 そうなんですよね。ヒーローの歌、男の歌を書いてても、その中に優しい言葉が入っているんです。だから、こちらも負けないように必死になって歌うんですけど、やっぱりその言葉には勝てないぐらい、すごい優しさがあるんです。でも、あの詞があったからこそ、僕も歌いやすかったのかなと思いますね。

 

ファンは「ぜんぜん変わらねぇな」

――かつてはアニメソング、特撮ソングの聴き手は子どもたちでしたが、今は大人の方も熱心に聴いています。そういう変化について、どう感じていますか?

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串田 あのときの子どもたちがこんなにデカくなった。それだけだな、という気持ちです(笑)。ぜんぜん変わらねぇな、と。僕もそういう気持ちは残してあります。だから、みんなで一緒に「クッシー(串田さんの愛称)!」と盛り上がるし、それが一番大切だと思っています。みんなには子どもの気持ちのままでいてほしいし、だからこそ僕も崩したりしないで、そのときの歌い方を続けていきたいと思っています。

 変わったのはマナーですね。20年ぐらい前はライブが終わってもサインを求めるファンが殺到していましたが、今はみんなが道を空けて「お疲れさまでした!」と言ってくれますからね(笑)。

 

撮影=鈴木七絵/文藝春秋

#2に続く)

INFORMATION

1969年に『からっぽの青春』でデビュー、その後アニメ・特撮シンガーとして『太陽戦隊サンバルカン』『宇宙刑事ギャバン』『キン肉マン』の番組主題歌や、『富士サファリパーク』などのCMソングを多数歌ってきた“アニソン界の超人”串田アキラさん。そのデビュー50周年を記念したベストアルバム『Delight』が11月6日にリリースされました。詳細は日本コロムビアHPにてご確認ください。

“アニソン界のレジェンド”串田アキラ73歳が明かす「レコーディングでダメ出しだらけだった30代の頃」

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