昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

燃え殻
2017/03/18

仕事未経験の私が単身赴任の夫にできることは何でしょうか?

燃え殻さんに聞いてみた。

Q 単身赴任の夫にできることは何でしょうか?

 専業主婦です。主人は単身赴任をしてます。高校生の息子がいますが手はかかりません。どちらかと言えば出張続きの主人の方が心配です。ありがたいことに経済的に不自由はありません。燃え殻さんと似た立場の主人が助かる、仕事未経験の私にできることは何でしょうか。(40代・女性)

A 3文字だけで十分です

 ウチの父はボクが中学1年まで大阪に単身赴任していました。夏休みに母と妹と3人で、父の住んでいるマンションに行った記憶があります。部屋は片付いていましたが、片付き過ぎていて母親の機嫌が悪かったのを覚えています。大阪城に行って、なんてことないうどん屋に入って、家族でズルズルうどんを食べました。「おいしいね」なんて母が言って、父が「おかしいなぁ、もっとうまいはずなのに」なんて返して、妹がうどんの入った器をひっくり返したりしていました。

 あっという間に時間は過ぎて、帰る日に父は新大阪の駅まで見送りに来てくれました。座席に座ったボクらを見て、父がホームから大げさに手を振りながら、分かりやすく口を大きく開けて“ま た ね”と言っているのが口の形から分かりました。妹が「まだ発車してないのにね」なんてケタケタと笑って、ボクもつられて笑いながら父に手を振りかえしたはずです。「面白いね」なんて何気なく母に語りかけたら母はその時、号泣していました。ボクはびっくりして外に目をやると、父もまた号泣していました。ケタケタと笑っていた妹も母に促されるように声を出して泣きはじめ、ボクもポロポロと涙があふれました。

 新幹線はほどなく出発し、父はあっという間に見えなくなります。今ならLINEで“またね”なんてすぐにスマホで返すところなんですが、ネットも携帯電話もない時代だったので、まだ小学2年生の妹が子どものように泣く母に「帰ったら電話しようね」と言ったのを覚えています。

“仕事未経験の40代の私に何ができるでしょう?”との質問でしたが、ただ愛を確かめにいけばいいような気がします。帰りしなの「またね」なんて3文字だけで十分です。

「○○さんに聞いてみた。」のコーナーでは、みなさまからの質問を募集しています!

質問投稿フォーム

はてなブックマークに追加