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橋賀 秀紀
2017/04/08

レギンスでの搭乗はアリかナシか? 飛行機のドレスコードを考える

プロが教える「旅の新常識」

 2017年3月末に起きた「てるみくらぶ」騒動。今回のできごとから改めて感じる教訓は、旅行会社の支払いはできるだけクレジットカード払いにする(カード払いが可能な旅行会社を選ぶ)ということだ。

 クレジットカード払いはカード会社から旅行会社への入金が遅いため、旅行会社が一時的に支払いを立て替える必要がある。これは旅行会社の資金繰りに関して一定の担保となる。また、カード払いをしていれば抗弁権を主張するなど、現金とは異なり、交渉の余地が残される。

 日本がてるみ騒動に巻き込まれていたころ、アメリカはレギンス騒動にみまわれていた。これは日本人にとっても無視できないできごとなので、ここでおさらいをしてみたい。

●3月26日、5人の少女がユナイテッド航空国内線のデンバー発ミネアポリス行きの国内線に搭乗しようとしていた。彼女らは、航空会社の従業員やその家族などが無料や非常に格安で搭乗できる「パスライダー」の乗客だった。

●10歳の少女を含む5人のうち3人はレギンスとよばれる下半身にはく、ぴったりとした女性用の細身の衣服を身につけていた。

レギンスは、日本ではスカートの下などに履くことが多いが、スポーツをするときなどは外着として履くことも ©iStock.com

●チェックインカウンターにいたユナイテッド航空の地上職員は、3人の服装が「パスライダー」の服装規定にもとづき、ふさわしくないとして、レギンス以外のものに着替えるか、レギンスの上に何か羽織らなければ搭乗できないと伝えた。

●3人のうち1人は羽織ったことで搭乗できたが、残りの2人は上着を預け荷物に入れていたために羽織るものがなく、結局搭乗できなかった。

●この現場にたまたま遭遇したのが銃規制を訴えているシャノン・ワッツ氏。ワッツ氏がツイッターで非難したところ、34000人のフォロワーを通じて、このできごとがまたたく間に拡散した。ちなみにワッツによれば、搭乗拒否をされた父親らしき男性は半ズボンを履いていたが、そちらはお咎めなしだったという。

●ユナイテッド航空は、「パスライダー」には通常の乗客とは別のドレスコードがあることを説明するとともに、通常の乗客はレギンスでも歓迎と伝えた。

●その後もこのできごとに対して、「性差別的だ」「いや、航空会社の定めたルールに従うべきだ」などと、さまざまな賛否がわき起こった。

 このできごとを理解するうえで、いくつか補助線を引かなければならない。

 一つは、レギンスの是非については、これまでもアメリカで問題になってきたことである。ABCニュースによると、2013年にカリフォルニア州のある中学校で「男子生徒の気が散る」という理由からレギンスの着用が禁じられた。ヒップを含めて体のラインが目立つのだ。むろんこのニュースも米国内で賛否両論を巻き起こした。

abcNEWS Calif. School Says Leggings Do Not Equal Learning
http://abcnews.go.com/blogs/entertainment/2013/04/calif-school-says-leggings-do-not-equal-learning/

 次に従業員やその家族が飛行機に搭乗する際には服装規定が存在しているが、必ずしもそのことが世の中に十分知られていないという点だ。こうした服装規定はアメリカ以外も含めて、多くの航空会社で定められている。では具体的にどのような規定なのだろうか。3社の規定をみてみよう。