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大山 くまお
2017/05/05

名言ハンターが選ぶ、政治を停滞させた「問題発言」2017年春

「神様は何を望んでいるのでしょう」

 1月からの名言、珍言、問題発言を振り返る。今回は政治編。国内の政治でもっとも注目を集めたのが学校法人「森友学園」をめぐる問題だ。

安倍晋三 首相
「私や妻、事務所は一切関わっていない。もし関わっていれば首相も国会議員も辞める」

産経ニュース 2月17日

疑惑は加計学園問題にも――安倍首相 ©三宅史郎/文藝春秋

 首相夫人の安倍昭恵氏が名誉校長を務めていた(後に辞任)森友学園「瑞穂の國記念小學院」の建設用地として、国有地が鑑定価格より8億円以上も安い価格で払い下げられていたことが発覚。森友学園の籠池泰典前理事長と親しい間柄にあると言われていた安倍晋三首相、あるいは昭恵夫人による口利きがあったのか? 大阪府、あるいは財務省をはじめとする役所はどのような便宜をはかったのか? 疑惑はまったく解明されておらず、4月の世論調査でも安倍首相らの説明について「納得していない」と回答した人が約7割に上っている(時事ドットコムニュース 4月14日)。

 そもそも、昭恵夫人が園児に教育勅語を暗唱させたり、「安倍首相バンザイ」と唱和させたりする森友学園の教育方針に涙を流して感激したところから始まったこの問題。事態を一層泥沼化させたのが、冒頭の首相のブチ切れ発言だ。この発言のおかげで安倍首相と昭恵夫人は森友学園について何があっても知らぬ存ぜぬを貫き通すことになり、納得のいかない籠池氏が暴露発言を繰り返したことで「総理に対する侮辱だ」(竹下亘自民党国対委員長)と国会での証人喚問につながった。

 昭恵夫人はあくまで私人として森友学園に関わっていただけ(だから政府は何もコメントできないし、私人だから何の力もない)だと押し通すために「(昭恵夫人は)公人ではなく私人であると認識している」と閣議決定まで行っている(3月14日)。北朝鮮をはじめとする世界情勢が緊迫する中、「そんなことばかり議論している場合か!」という声も多く上がっていたが、どう考えても安倍首相夫妻の身から出たサビ。疑惑はさらに巨額の金額が動いた加計学園問題にも飛び火しそうだ。