昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

仕事もプライベートも全部ギャンブル――坂上忍の仕事論 #2

 テレビをつければ、坂上忍を見ない日はない。

 坂上の言葉は、常にネットを賑わせている。その言動に常に注目が集まるなかで、坂上はいつも変わらずギリギリを攻め続ける。

 多忙を極める男の仕事の顔と素の自分とは?

 

大切なのは「やり切る」こと

――坂上さんは常に攻めている印象ですが、攻めるうえで重視していることは何ですか?

坂上 「やり切り感」ですね。大勢の人がかかわっているので、ひとつの番組を作るうえで、「やり切る」というのはけっこう大変なことなんですよ。だから、スタッフやほかの登場者を含めて、いかにやり切る空気にもっていくかを意識しています。「バイキング」は、最初に月曜だけの担当だったとき、スタッフと「他の曜日はちゃんとしてるから、月曜はちゃんとしてないことをやろう」と話していました。「いいとも!」が終わった直後で視聴率もよくなかったから、「逆風が吹いているなら、羨ましがられることをやって終わりましょう」とも言っていましたね。

 それを1年間続けたら、一番お昼の番組らしくなかった月曜担当の僕が、金曜日まで担当するようになりました。これは、スタッフ含めてみんなでやり切った結果だと思います。

――地上波は視聴率という目安がありますが、ネット番組の「坂上忍流ディープな夜遊び」は視聴率では測れません。反響がわかりづらいなかで、何を目指して出演しているのですか?

坂上 この番組では、いつもよりもさらにやり切ることを重視しています。だって、ディープと言ったら、ディープキスでしょ。そこに嘘があったらいけないんですよ(笑)

 まず、スタッフさんがディープにするために、僕らの見えないところで戦ってくれてるわけです。そうやって用意してくれた土俵で、僕らは全力でギャンブラーになったり、スケベになったりする。役者の意識として、小芝居するとバレると思っているので、ほかの出演者へのアンテナを張りつつ、限りなく素の状態にして、仕事の意識を飛ばすんです。

 

徹底的に遊んで「放送禁止レベルの顔」に

――やり切るということは、限りなく素に近い坂上さんを見せているということですか?

坂上 本気の演技って、演技を取っ払ったところにあるんですよ。それこそ、先日の「坂上忍流ディープな夜遊び」の撮影では本気で遊ぼうと思って、真剣にキャバクラの女の子を口説いてしまいました。それはちょうど飼っている犬に対して父性愛というか母性に近いものが強くなりすぎて、遊ぶ気にならなくなってる自分ってどうなの?と自分にイラついていたときだったから、ちょっと頑張っちゃって……。

――何をどう頑張ったんですか?

坂上 撮影で福岡のキャバクラに行ったときに、その日は「ガチでなんかしちゃおう!」と思ったんです。それで、手当たり次第に声をかけて、女の子と電話番号を交換して、とりあえず俺の部屋にこない? って口説きまくってたら、結果的に10人くらいきちゃってね。これはさすがに多過ぎるだろ!と(笑)。それで結局、なにもできなかったんですけど。

「坂上忍流ディープな夜遊び」福岡編。高級クラブでの一幕。

――まさに、演技を取っ払った状態になっていたわけですね。

坂上 「坂上忍流ディープな夜遊び」で韓国に行ったときには、カジノで20万円を200万円にしたんです。その賭けをしているときは、人殺しみたいな顔をしてたと思いますよ。ギャンブルをやっていると、「ここなんだ」っていう勝負所があるじゃないですか。その瞬間を待ってやっているようなものなので、それがきたときはもう自分の顔なんてどうでもいいんですよ。ただ、その勝負に勝ちたいので。もちろん仕事ということは忘れてないけど、そこで放送禁止レベルの顔になれるかどうかってあるじゃないですか。それぐらい徹底的に遊んで、演技ではない顔を見せることが「ディープ」であり、「やり切る」ということ。 

「坂上忍流ディープな夜遊び」韓国編。 カジノでも「やり切る」坂上さん。