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いつもギリギリを攻める理由――坂上忍の仕事論 #1

 坂上忍のオフィシャルブログを見ると、5月1日から6日までの6日間に、テレビ番組だけで放送予定が12本もあった。ネットでは、坂上の歯に衣着せぬ直言が毎日のようにニュースとして報じられている。

 いま、メディアに引っ張りだこの男は、どんなことを考えて仕事をしているのか? 尋ねてみると、テレビでは放送できないだろう言葉で、その知られざる想いを語ってくれた。

 自分を「クズ」と言い表す坂上忍の仕事論。

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仕事を選ぶ基準は「一緒に組む人」

――坂上さんはお茶の間の定番「バイキング」(フジテレビ系)から地上波では放送できないほど濃い番組と評判の「坂上忍流ディープな夜遊び」(Amazon プライム・ビデオ)まで幅広く仕事をされていますが、どのような基準で仕事を選んでいるんですか?

坂上 僕の一番の判断基準は「一緒に組む人」です。もちろん、何をやるのかは細かく確認しますが、役者の世界でも、映画なら東宝、東映さんの大作もあれば、ものすごくローバジェットで監督さんの思いで作られるものもありますよね。だから、地上波かネットか、予算があるか、ないかはそれほど気にしません。

――坂上さんは、スマホも持っていないし、インターネットの情報はほとんど見ないと聞きました。それなのにAmazonの「坂上忍流ディープな夜遊び」に出演されているのは、意外です。やはり、地上波ではできないようなことをやりたいという思いがあったのですか?

坂上 確かにネットについては何も知りませんが、出演を決めたのは、以前から一緒に仕事をしてきた、とても優秀な“クズ”であるスタッフに声をかけられたからで(笑)、地上波どうこうは関係ありません。僕もこの世界が長いので、どんな番組であろうと最初から予算や内容の枠や縛りを理解したうえで、お引き受けしています。ただ、いつも意識しているのは「その枠って誰が決めたもので、本当にそのラインは正しいんですか?」ということ。それがお昼の生放送だとしても、実は鋼鉄の柵ではなくロープで、くぐれば枠の外にいけちゃうこともあるんですよ(笑)。アウト、セーフのギリギリのラインをどう攻めるかは、いつも考えてますね。

「坂上忍流ディープな夜遊び」六本木編より。六本木のクラブを訪れた際の一枚。

オッパイを見たら「吸う」より「揉む」が落としどころ

――「坂上忍流ディープな夜遊び」のすすき野編では、キャバクラで女性の胸を生で触っているシーンがあって衝撃を受けました。これは、ロープをくぐった先にオッパイがあったと?

坂上 目の前にオッパイがあったら吸うでしょ? 欲求としては(笑)。ただ、実際に吸うとなると、いろいろあるかもな、と考える。でも、ただ見てるだけなのかといったら、それも違いますよね。だから、その落としどころとして揉むわけです。視聴者の方も、普段はなかなかオッパイを触れないわけですが、オッパイを触ったら無条件に気持ちいいとみんなわかっているわけですよね。そこで僕が触ることによって、視聴者の方にもあの感触を思い浮かべてもらいたい。これも少子化解消ですよ。

「揉む」を落としどころとして選択したという坂上さん

――一緒にキャバクラに行って先にオッパイを触っていた小峠さん(バイきんぐ)につられて触ったようにしか見えなかったんですが、そこにすごい計算があったんですか?

坂上 そう思っていただければ。それに、ネットの番組も本当の意味で大きくなったら、いずれ規制が入りますよ。それなら、早いうちにやったもん勝ちでしょう(笑)