ダメな部分がない人なんていない
――坂上さんは何かと言動が話題になりますが、世間から注目されるなかでギリギリを攻める怖さはないんですか?
坂上 僕はクズなので、前提として自分のダメな部分を表に出しています。ダメなところもあるし、エロいところもあるということを隠さず、そのうえで言うべきことは言う、やるべきだと思ったことはやる。最近、なんで健全な昼の帯番組(バイキング)をやっていて、「坂上忍流ディープな夜遊び」をやるんだって言われるんですよ。それは僕のなかで難しい話ではなくて、ダメな部分がない人なんていないと思っているし、ちゃんとしすぎていると、どこかでダメなこともしたくなるじゃないですか。これで、昼の番組をクビになったらしゃあないっていうか、そういう時代なのかと思って諦めるしかない。そういうギリギリ感で、勃起します(笑)
――綱渡りのようなギリギリ感を楽しんでいるんですね。
坂上 これで潰されたら、腹上死的な快感というかね。ただし、どの仕事でもその役割を与えていただいたからには、完遂しなきゃいけない。視聴率は貪欲に取りにいくし、20回放送なら20回は必ずやり遂げます。
大切なのは「攻め方」と「差別化」
――マスの反応である視聴率を意識して、ギリギリを攻めることに躊躇はないんですか?
坂上 大切なのは、単純に攻めるのではなく、攻め方だと思っています。特に、裏番組も含めて、許される範囲内での差別化ですよね。危険なことをやることだけが攻めているということではなくて、明確に差別するというのも攻めていることだと思うので、そこらへんはかなり徹底的にスタッフと話し合います。
そのうえで、僕には最前線と最後方の役割があるので、番組中はそれを果たす。何かを許せないと思ったら、誰よりも先に僕が許せないと意思表示をしなきゃいけないと思っているんですよ。一方で、番組が偏るのもよくないから、そうやって最前線でバンバン言いながらも、誰か反対意見を持っている人いないかなと探す作業をする。そうして反対意見が出ると、僕はその人に感謝します。まあ、実際のところ、番組中に反対意見を言われたりすると、けっこう本気でこの野郎! って思っているんですけどね(笑)
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坂上忍/1967年生まれ。テレビドラマの子役としてデビュー。芸能プロダクション「アヴァンセ」を総合プロデュースする他、数々のテレビ番組で活躍。「バイキング」(毎週月〜金 11:55-13:45放送 フジテレビ系)ではMCを務めている。
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『坂上忍流ディープな夜遊び』(Amazonプライム・ビデオにて絶賛独占配信中、毎週金曜更新)
坂上忍が本気の夜遊びを敢行。ギャンブル、歓楽街など「ディープな」場所でハメを外しまくる。地上波では(おそらく)放送できない密着ドキュメンタリー。
amzn.to/2jsWD7x
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構成:川内イオ 撮影:榎本麻美/文藝春秋