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池上 彰
2017/06/06

池上さんが人前で話すときに気をつけていることは?

池上さんに聞いてみた。

Q 人に分かりやすく伝えるために、どんなことを心掛けていますか?

 池上さんのこと、いつもTVで拝見しています。もともとは記者だった池上さんが、TVに露出され、人前で話すようになるのには大変な努力が必要だったのではないでしょうか。人前で話す際、人に分かりやすく伝えるために、どんなことを心掛けていますか。また、池上さんは人前で話す時に緊張されないのですか。(10代・女・学生)

2016年参院選選挙ライブにて ©志水隆/文藝春秋

A 自分の中に「小学生の池上君」を飼っています。

 私が初めてニュースキャスターとしてスタジオでテレビカメラに向き合ったのは 1989年4月のこと。足は震え、簡単な挨拶の言葉も原稿に書いておかなければならない状態でした。誰だって、最初は緊張するのですよ。

 私は記者でしたから、アナウンサーのような発声練習も原稿の読み方の訓練も受けていませんでした。まったくの独学です。

 それまで記者として原稿を書いてきましたが、キャスターになって他の記者が書いた原稿を読むことになって驚愕。原稿がわかりにくく、読みにくかったのです。

 そこで、テレビの視聴者にわかってもらえるにはどうしたらいいか、ひたすら原稿と格闘するようになりました。

 さらに1994年からは11年間、「週刊こどもニュース」を担当しました。この番組は、小学校高学年以上の子どもにもニュースを理解してもらおうというものです。スタジオにいる子どもたちに、どうすれば理解してもらえるか、試行錯誤の日々でした。

 その結果、自分の中に「小学生の池上君」を飼うことができるようになりました。少しでも難しい言葉を使おうとしようものなら、「そんなのわかんない!」という声が聞こえてくるのです。

 物事を伝えるときは、常に伝える相手のことを考えます。深夜のビジネスパーソン向けニュース番組なら、経済の専門用語をそのまま使いますが、ゴールデンアワーの民放番組だったら、テレビの前にいるであろう、子どもや高齢者の存在を意識して、専門用語を噛み砕くようにしています。

 自分が常に誰に話しかけているのかを意識すること。これが大事だと思います。

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