昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

池上 彰
2017/06/07

池上さん、「おめでたい人」ってどんな人でしょうか?

池上さんに聞いてみた。

Q 池上さん、「おめでたい人」ってどんな人ですか?

 親から、「あんたは、おめでたいね」と言われます。「おめでたい人」とはどういう意味でしょうか。言葉の雰囲気から、褒められていないのはよく分かります……。(10代・男・学生)

A この質問を見て、私は子どもの頃に読んだ本の一節を思い出しました。

 ある人が勧められた食べ物を食べ、「その味はなんと天下一品」と描写しているのです。天下一品といえば、「とても素晴らしい」という意味だと思ったのですが、文脈からすると、「まずくてたまらない」という意味のようだったのです。

 このとき、わざとポジティブな表現を使って皮肉を言うという手法があるのだと知りました。「おめでたい」という言い方も同じですね。

©文藝春秋

「めでたい」とは、もともと「とても素晴らしい」という意味です。しかし、そこに「お」をつけて丁寧にすることで、かえって皮肉な意味にしてしまうのですね。

「おめでたい人」とは、「お人好し」、あるいは「何も知らない人」という意味になってしまいます。「おめでたい」と言われたら、喜ばないほうがいいですね。

 ただし、全否定の文脈では使われません。嫌な人物だったら、こんな微温的な表現は使いません。「こいつ、しょうがないなあ」という好意的なニュアンスが入ることが多いようです。あなたの親は、あなたへの愛情を込めて、こう言っているのですよ。

「○○さんに聞いてみた。」のコーナーでは、みなさまからの質問を募集しています!

質問投稿フォーム

はてなブックマークに追加