文春オンライン

村上世彰×堀江貴文 初対談 #2「僕らが“プロ野球”と“フジテレビ”に目をつけたワケ」

生涯投資家 vs. 多動力

note

次に狙うビジネスはアート!?

堀江 僕たちはやり方がストレートすぎて、反発を受けたんですよね。猪子君(猪子寿之/チームラボ代表)なんてうまくやってるじゃないですか。

村上 そうそう、猪子は僕が堀江に紹介したんだ。彼に会ったのは2006年か2007年で、僕がアウトになった後(2006年に証券取引法のインサイダー取引容疑で起訴)。彼はシンガポールでよく個展をやっていて、時々会ってた。僕は青山に1000坪ほどの土地を持っていて、ある時、猪子が「その区画をすべて僕のデザインでビルを建てさせてほしい。僕の最高の作品を作るから、一生価値がつく」というんです。もうムチャクチャですけど、面白い子ですよ。いま思えば、やらせてあげればよかったのかもしれない。

堀江 ほんとそうですね。いま、僕もアートやろうかなと思っているんですよ。いまはネットがあるから、国境なんか簡単に越えられるじゃないですか。でもそこで、「じゃあ国際間送金はビットコインでいいじゃん」とかストレートに言っちゃうと、いろんな規制当局から横やりが入る。だから、「ボーダーなんかあるようでないんだ」ということをアートで表現する。そのアートがヒットすればムーブメントが生まれて、「あのアートがきっかけだったよね」となるわけですよ。その作品は僕が作らなくても、チームホリエモンで作ればいい。

ADVERTISEMENT

村上 なるほど。でも、そのチームを作るのも難しいと思う。そんな簡単じゃないよ。

堀江 もちろん。でも、アートで何か面白いことができるんじゃないかなと思ってます。猪子君も「堀江さん、アートの世界はブルーオーシャンなんで来ないでください」とか言うくせに、いろいろ教えてくれるんですよ。

堀江氏が次に狙うのは“アート”

村上 堀江はまだまだやりたいこといっぱいあるんだな。僕の場合は、堀江の嫌いな言葉かもしれないけど「コーポレートガバナンス」の重要性をずっと唱えてきた。必要もないのに上場したり、利益を株主への還元や新たな投資に回さず、無駄に内部に溜め込んでいる。それが、日本経済の足かせになっていると訴え続けてきた。それが少しずつだけど世の中に広まってきたと思う。そこに対する満足感はある程度感じてます。