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プチ鹿島
2017/07/07

稲田朋美の不始末に“保守おじさん代表”「読売」「産経」が怒る怒る怒る

「社説」「産経抄」の苦言二重奏

 上半期でもっとも「勝った」のは誰だろう。将棋の藤井聡太四段の29連勝は圧倒的だった。

 でも藤井四段に負けず劣らず、勝ちっぱなしの半年間を送った人物がいる。稲田朋美防衛大臣である。

 あれだけ失言や問題発言を繰り返しても「辞めさせられない」「地位は安泰」って最強ではないだろうか。間違いなく勝ちっぱなしだ。

失言が続いても地位は不動の「勝ちっぱなし」 ©時事通信社

この半年、事あるごとに「読売社説」は稲田防相を叱っていた

 では稲田大臣の「連勝記録」を振り返ってみたい。なにぶん件数が多いのでまとめが役立つ。

「稲田朋美防衛相の就任後に起きた資質を巡る問題」(毎日新聞・6月29日)を参考にする。

 最初は2月の南スーダン。衆院予算委員会で、日報に「戦闘」の語句があったことに対して「憲法9条上の問題になるので『戦闘』ではなく『武力衝突』の言葉を使っている」と答弁。まず1モメ。

 この発言に対し、苦言を呈したのは「読売新聞」2月10日の社説である。

《やや疑問なのは、稲田氏が「憲法9条上の問題になる言葉を使うべきではないから、武力衝突と使っている」と答弁したことだ。憲法上の問題があるのに、表現で糊塗しているかのような誤解を招きかねない。稲田氏には、より慎重で的確な発言を求めたい。》

「読売」は、「自衛隊の活動には問題ない」という政府見解は「妥当」という立場なので、稲田大臣には「誤解を与えるようなことは言うな」と叱っている。

毎日新聞6月29日朝刊の「稲田朋美防衛相の就任後に起きた資質を巡る問題」一覧(左端)

 続いて3月。稲田大臣は教育勅語について「精神は取り戻すべきだ」と参院予算委で答弁。これで2モメ。

 これに対し「読売新聞」4月6日の社説。

《歴史を学ぶ教材として、教育勅語を用いることは、何ら問題がないだろう。ただし、道徳などで教育勅語を規範とするような指導をすることは、厳に慎まねばならない。》

《確かに、親孝行や夫婦愛など、現在にも通じる徳目を説いている面はある。しかし、教育勅語を引用しなくても、これらの大切さを教えることは十分に可能だ。》

 またしても叱られる稲田氏。