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山田 隆道
2017/07/17

【阪神】鳥谷敬が3割打つかどうか、それが問題だ!

文春野球コラム ペナントレース2017

鳥谷の復活ストーリーに華を添える3割と2000安打

 だけど、それでも今季の鳥谷にはなんとしてでも打率.300をクリアしてもらいたい。それはやっぱり、現在の彼の背景には昨年の大不振からの復活劇という、ファンにはたまらないリアルなストーリーが流れているからだろう。

 東京六大学のスターから鳴り物入りで阪神に入団し、順調にキャリアを重ねてきたエリート選手が、昨季プロ13年目で最大級の不振に苦しみ、聖域とまで称されたショートを追われた。しかし、これで終わらないのが鳥谷の真骨頂で、今季からサードに転向すると安定感のある打撃が復活し、持ち前の強靭な肉体と精神力で顔面死球も乗り越えた。

 そんな鳥谷の復活ストーリーにおいて、打率.300という個人成績は極めて重要かつ華やかなアイコンだ。もちろん通算2000安打も楽しみなのだが、それは時間の問題で達成されるだろうから、個人的には3割狂想曲への感情移入のほうが大きい。

 いや、やっぱり野球は団体競技だから個人成績に躍起になるのは本筋ではない。それに打率なんて指標のひとつにすぎないわけだし、たとえ.290とかに終わってもチームへの貢献度が高ければいいんだし、なにより36歳でこれだけタフなことがすごいし……だけどだけど、やっぱり.300という魔性の数字には惹かれてしまうし……。そんな矛盾だらけの心の音ががちゃがちゃ鳴り響く。鳥谷敬の3割狂想曲。

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※「文春野球コラム ペナントレース2017」実施中。この企画は、12人の執筆者がひいきの球団を担当し、野球コラムで戦うペナントレースです。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイトhttp://bunshun.jp/articles/3368でHITボタンを押してください。

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