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連載池上さんに聞いてみた。

コロナで株価が乱高下 池上彰氏「リーマンショックとの違いは……」

コロナで株価が乱高下 池上彰氏「リーマンショックとの違いは……」

池上さんに聞いてみた。

2020/04/07
note

Q なぜ株価が乱高下?

 世界の株価が乱高下しています。これは、新型コロナウイルスだけが原因なのでしょうか。(40代・男性・会社員)

A アメリカの株式市場が乱高下すると、日本も同じになるのです。

 大きな要因は新型コロナウイルスです。世界中で多くの人が自宅待機するようになり、消費が落ち込んでいます。これでは景気が悪くなるのは当たり前。株価が下がります。

 これに対して、アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)が金利を下げて歯止めをかけようとしたところ、いったん株価が上がるかに見えましたが、結局下がりました。2008年のリーマンショックのように金融不安が広がった場合、低金利政策は一定の効果がありますが、いまは金融不安ではありません。実体経済が落ち込んでいるのですから、政府が財政出動をしなければ効果はありません。

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 日本の株価はアメリカの株価と連動することが多いですから、アメリカの株式市場が乱高下すると、日本も同じになるのです。

トランプ大統領 ©︎AP/AFLO

 アメリカのトランプ大統領が巨額の経済支援策を発表すると、期待感から株価は上昇しましたが、トランプ大統領の言うことはしょっちゅう変わるので、不安が広がって株価が下がる。この繰り返しなのです。

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