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瀧澤 信秋
2017/08/22

ビジネスホテルはいま #2 ホテルの実力は「ハウスキーピング」でわかる

ビジネスホテルはいま #1」ではコモディティ化が進むビジネスホテルについて考察したが、今回はハウスキーピングに着目する。

 様々なホテルの裏方も取材しつつ、こと差別化が進んでいると感じるのが「清掃(ハウスキーピング)」だ。帝国ホテルがハウスキーパーを自社雇用しているのは有名な話であるが、費用対効果、効率性などを鑑み、ビジネスホテルも含め多くのホテルでは外部委託しているのが実情だ。他業種同様、ホテル業界も人手不足が叫ばれる中で自社雇用のハードルの高さは理解できる。一方、委託業者は売り手市場。委託費の高騰を指摘するホテル関係者も多い。

 高級ホテルの清掃レベルはさすがと思わせる施設は多いが、ビジネスホテルでは施設・チェーンによってかなり差があると感じることが多い。ハウスキーパー歴30年以上という70代の知人に時々取材しているが、委託会社に所属しつついくつかのホテルを掛け持ち、年齢を感じさせないほど毎日忙しそうに働いている。「高級ホテルはアメニティも多く並べるのが大変だけど、ビジネスホテルは楽」というのが口癖だ。

 こちらも売り手市場というワケであるが、体力勝負の現場にして若手スタッフはほとんどおらず外国人雇用も多いとのこと。就職したものの、辞めていく者が後を絶たないという。そもそも最近では募集しても応募がないという委託会社の声は多い。人件費も上げざるを得ない状況という中で、70代のハウスキーパーも重宝されているというのは理解できる。委託費の値上げも当然かもしれない。こうなると快適ステイは委託会社のスタンスやクオリティにかかっているといっても過言ではない。

ハウスキーピングのレベルが一目瞭然の「デュベスタイル」

 前回の記事の冒頭で、ホテルを見極めるポイントとして指摘したデュベスタイルは、いまや定番のベッドメイキングとなりつつあるが、ハウスキーピングのレベルが露見する部分でもある。シワやベッドボードとのバランスなど、粗が目立ちやすく伝統的なスプレッドタイプよりもハードルが高いベッドメイキングといえる。ハイクラス化でスタイリッシュになると、ひときわ目立つ清掃のクオリティ。ハウスキーピングひとつせっかくの投資が徒になってしまうと言えるだろう。

デュベスタイルもこれではガッカリ