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ゲームは下手くそなのに……YouTubeで人気再燃、狩野英孝の“人たらし” の才能

2020/07/25
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レギュラーがなくても、冠がなくても

 少し前までは“ありのままの自分”をさらけ出して視聴者と仲良くなるというのは、テレビやラジオ番組で活躍できる人気芸人だけの特権だった。

 他の大多数の芸人は、露出の機会は与えられず、たまの番組に出演する機会があれば、“作り上げたキャラクター”を演じることに全力投球をする。番組の空気を悪くしないよう、編集でカットされないよう、神経を張り詰めながら。

 視聴者に“ありのままの自分”を知ってもらい、ファンになってもらうためには、レギュラー番組、冠番組を獲得して露出機会を増やすしかないが、そういった番組に抜擢されるためにはまずは人気者にならなければならない。

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 人気があるから表に出るのか、表に出るから人気があるのか。

 YouTubeは人気者になるための条件を均等化したのだ。どんな芸人でも冠チャンネルを持つことはできる。そして、ゲーム配信(やさまざまな形の生放送)を通じてファンとコミュニケーションができる。

©️getty

 狩野は全国ネットの地上波で冠番組やレギュラー番組を持っているわけではない。芸人ヒエラルキーの頂きに到達している人ではない。

 しかし、ゲーム配信という場所で輝き始めた。(全国ネットの地上波に)レギュラー番組や冠番組がなくても、ファンとの関係を構築する方法を見つけ出したのだ。

 狩野の配信者としての成功は多くの芸人に認知されているはずだし、「この手があったか」という希望を与えてもいるだろう。

 ゲーム配信は芸人にとっては新しい活躍の舞台だ。

 次のスターは、M-1グランプリでもなく、おもしろ荘でもなく、ゲーム配信から生まれるかもしれない。

ゲームは下手くそなのに……YouTubeで人気再燃、狩野英孝の“人たらし” の才能

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