6月19日、とんねるず・石橋貴明が自身のYouTubeチャンネル『貴ちゃんねるず』を開設。約1カ月でチャンネル登録者数が約83万人(以下、登録者数は7月24日現在)を超えるなど、好評を博している。
その他、今年に入って山田邦子、今田耕司、東野幸治らベテランのお笑いタレントが続々とYouTubeに参入。いよいよYouTubeは、芸能活動において欠かせないコンテンツとなりつつあるようだ。
その一方で、YouTubeに乗り気でない態度を示す芸人もいる。その象徴とも言える存在が、明石家さんまだ。
2020年2月に放送された『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)の中でも、さんまは「オレらテレビに出る人間の敵はYouTubeやで!」と発言している。その言葉の根底には、“今まで恩恵を受けたテレビを守りたい”という思いがあるに違いない。
また、ナインティナイン・岡村隆史もYouTubeには消極的だ。自身がパーソナリティーを務める『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送、7月2日放送)の中で、「もう我々、ムリちゃう?」と弱気な言葉を漏らしている。芸能人が次々とチャンネル開設をしていく中で、動画の切り口やテーマが飽和状態になってきており、もはや自分たちには入るスキがないと懸念しているようだ。
もっとも、さんまやナインティナインは、現在でもテレビで多数のレギュラーを持つ人気者だ。「あえて参入する必要もない」という、ある種の余裕があるのだろう。
2019年は芸能人YouTuber元年
芸人のYouTube参入は意外に早い。“誇張ものまね”で人気を博したハリウッドザコシショウは、2009年にYouTubeチャンネル『HollywoodZakoshisyoh』を立ち上げたタレントの最古参。登録者数は約16万人で、コアなファンを獲得している。また、「ヒロシです……」からはじまる自虐ネタでブレークしたヒロシも早くから参入した一人。2015年に『ヒロシちゃんねる』を開設し、いまや登録者数は約82万人と高い人気を誇っている。
ザコシショウとヒロシの動画に共通するのは「趣味性」の高いコンテンツということだ。ザコシショウは、勝手に下ネタで吹き替えたBGMのゲームプレイ動画や、変顔をスロー再生したり、反対にスピードを何倍速かにして見せたりするトリッキーな動画も少なくない。ヒロシのソロキャンプ動画は、その後のキャンプブームの先駆けとなり、テレビでも取り上げられて話題となった。
YouTubeは2018年の中盤あたりまで、テレビの露出が少ない芸人が活用するネットメディアというイメージが漠然とあった。ネタや趣味に関する動画が多かったからだ。