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霜降り明星、ハナコ、EXIT、四千頭身…「お笑い第七世代」は他の芸人となにが違うのか?

2020/07/11

 いまやテレビのバラエティー番組で目にしない日はない「第七世代」と呼ばれるお笑い芸人たち。彼らの新しさとは何なのか? お笑い業界に詳しいライターの鈴木旭氏が解説する。

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「ホンマに新しい……勝手に次の年号の世代『第七世代』みたいなのをつけて、YouTuberとか、ハナコもそうですけど、僕ら20代だけで固まってもええんちゃうかな」

 これは、霜降り明星・せいやが、2018年12月22日深夜に放送されたラジオ番組『霜降り明星のだましうち!』(ABCラジオ)の中で発した言葉である。

霜降り明星。左からせいや、粗品 ©AFLO

『M-1グランプリ 2018』で最年少優勝を果たし、せいや自身、高揚していたのだろう。20代の俳優、ミュージシャン、YouTuber、芸人など、あらゆるジャンルの精鋭たちが固まり、若者をターゲットとした新しいムーブメントを起こそうという壮大な夢を語った。

 せいやは、そもそも趣味的に、昭和の歌手、映画、お笑いなどが好きだった。恐らく、とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャンらの「第三世代」というキャッチフレーズが頭のどこかにあったに違いない。

「第七世代」と「第三世代」

 とはいえ、「第三世代」と「第七世代」は、その成り立ちからしてだいぶ違う。第三世代は、最初から「“お笑い”第三世代」と銘打たれている。その出所こそ不明だが、1980年代後半にいわゆる「業界」の内部から発信されており、そこには明らかな“バラエティーの世代交代”という意味合いが含まれていた。

 具体的には、当時テレビを席巻していたビートたけし、さんま、タモリといったタレントを「お笑い第二世代」と区切り、「お笑い第三世代」のとんねるず、ダウンタウンら勢いのある若手を押し出そうとした意図があった。実際、1990年代は彼らがゴールデンの枠を席巻した。

 一方で「第七世代」は、せいや個人がラジオで発言したものであり、そこには「お笑い」という括りはなかったのだ。

ハナコ。左から菊田竜大、秋山寛貴、岡部大 ©時事通信社

 ところが、翌2019年になると、3月に放送の『ENGEIグランドスラム』(フジテレビ系)で、「お笑い第七世代」として霜降り明星、ハナコ、ゆりやんレトリィバァに加えて、EXIT、かが屋、宮下草薙らが紹介されるようになる。

 同年4月には、霜降り明星の冠番組『霜降りバラエティ』(テレビ朝日系)がスタート。また、その2カ月後には、若手芸人のインタビューをまとめたムック本「芸人芸人芸人 面白いのが、好きだ volume1」(コスミック出版)が発売された。霜降り明星が表紙を飾り、「第七世代 主人公の現在位置」と銘打たれた特集が組まれると、好調な売れ行きを見せ、必然的に「お笑い第七世代」というイメージが先行する形で広く知られるようになった。

「芸人芸人芸人 面白いのが、好きだ volume1」(コスミック出版)