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霜降り明星、ハナコ、EXIT、四千頭身…「お笑い第七世代」は他の芸人となにが違うのか?

2020/07/11
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メディアに依存しない「変幻自在のコミュニティ」

 さらに面白いのは、彼らが「第七世代」のキャッチフレーズをある場面では鼻で笑い、ある場面では活用していることだ。

 先述のインタビューでEXIT・兼近は、「『第◯世代』みたいなのをずっと続けていくのってダルいじゃないですか」と語る一方で、昨年9月に行った単独ツアーファイナルでは「第七世代コント」と銘打ち、宮下草薙、四千頭身をゲストに迎えて合同コントを行ったりもしている。

EXITのりんたろー。(左)と兼近大樹 ©時事通信社iStock.com

 要するに、「『第七世代』という名前が喜ばれるなら使ってもいい」というスタンスなのだ。

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 現在、霜降り明星は、テレビ、ラジオ、YouTubeチャンネルと、若手芸人の王道を走り続けている。EXITは、昨年12月にパシフィコ横浜で、歌あり、ネタありの単独公演を敢行。コンビでファッションブランド「イグジー(EXIEEE)」をプロデュースするなど、芸人らしからぬ活動で注目を浴び続けている。

 一方で、昨年からゾフィー・上田航平、かが屋・加賀翔、ハナコ・秋山寛貴、ザ・マミィ・林田洋平の4人がユニット「コント村」を結成。彼らのトークライブは、軒並み盛況を呈している。また、トンツカタン・森本晋太郎は、今ブレーク中の女性ラップユニット「chelmico」と公私共に交流があり、彼女たちのライブにゲスト出演したり、アルバムCDの収録曲にナレーションで参加したりと、ジャンルを超えた活躍を見せている。

 それぞれが、違った形でムーブメントをつくろうという気概を持ち、結果的にせいやの最初にイメージしていた「第七世代」に近づいているのが興味深い。

「第七世代」は、メディアに依存しない、独立した同時代の個性が結集する“変幻自在のコミュニティ”だ。一過性のブームどころか、今後もさらに盛り上がる気さえしている。

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