文春オンライン

「芸人YouTuber」オリラジ中田とキンコン梶原は、なぜ“アンチ”に負けず成功できたか?

2020/07/25
note

 中田の強みは、巧みな話術だ。そもそも上岡龍太郎氏、島田紳助氏といった知的な芸人にあこがれていたことをYouTubeチャンネル『中田敦彦の2nd YouTube』の動画「【YouTubeでしか話せない本音】憧れのレジェンド芸人&影響を受けた人物を語る!」の中で明かしている。しかし、独壇場のトークは今のテレビにはそぐわない。

 そこで、中田はもともと興味のあった「世界情勢」「投資」「政治」といったテーマを掘り下げ、大学の講義形式で解説する動画をYouTubeに投稿するようになる。現時点で登録者数は268万人。動画によっては300万回再生を超える人気チャンネルとなった。

YouTube「中田敦彦のYouTube大学」より

“ビジネス型”の先駆者はキングコング西野

 この行動に至った裏には、キングコング・西野亮廣の存在があったようだ。先述した『中田敦彦の2nd YouTube』の動画「【大尊敬】キングコングさんを語る!」中で、中田は「(現在、行っている)イベントを主催するのとか、物販するんだとかも、言ったら完全に西野さんのトレース」と語っている。

ADVERTISEMENT

 先駆者である西野のチャンネル『西野亮廣エンタメ研究所ラジオ【公式】』では、「結果の出し方」「先が短いインフルエンサー」といったタイトルの音声動画が投稿されている。ラジオ形式で主にオンラインサロンメンバー向けに西野の考えを語っており、一定の再生回数こそキープしているが爆発的な数字は出ていない。西野にとってこのYouTubeチャンネルは、ビジネス活動の一環というスタンスなのだろう。

 中田は、自身のアパレルブランド「幸福洗脳」の単価を高く設定すること、オンラインサロンをどう盛り上げるかは、西野やIT系企業の社長などとの交流から学んだ。また、同時期に登場したカジサックに刺激され、自身の話術を活かしたYouTubeチャンネルの開設に至っている。

 YouTube、オンラインサロン、イベント、物販のサイクルを意識し、ネットを通じて目に見える形でファンを獲得していく。中田にとってYouTubeは、パフォーマンスでありビジネスなのだ。その他、品川庄司・品川祐も、西野の影響を受けてYouTubeやオンラインサロンなどの活動をスタートさせている。