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 しかし、2018年10月にキングコング・梶原雄太が『カジサックの部屋』を立ち上げると、流れは大きく揺れ動く。

 自らを新人YouTuber・カジサックと名乗り、「2019年12月末でチャンネル登録者数が100万人に届かなかった場合は芸能界を引退する」と宣言。主に芸人をゲストに招いてのトークが話題を呼び、2019年7月11日に見事目標を達成。この流れの中で、YouTubeおよびYouTuberが芸能界と結びついていった。

YouTube「カジサックの部屋」より

 YouTuberブームの火付け役であるヒカキンだけでなく、フィッシャーズ、ラファエルといったYouTuberが、テレビの世界で知名度を上げていき、反対に藤田ニコル、斎藤工、ヒロミなど多くのタレントがYouTubeチャンネルを開設した。このことから、2019年は「芸能人のYouTubeチャンネル開設元年」とも言われている。

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“アンチ”を乗り越えたキングコング梶原

 現在、芸能人YouTuberとして成功しているケースが大きく2つに分けられる。その1つが、“タレントの自己アピールの場”として活用したキングコング・梶原の例だ。

 梶原が成功した理由はいくつもあるが、あえて1つに絞るなら、芸能人同士がプライベートに近い空間で語り合うコンテンツを開拓した点が大きいだろう。自分だけの居場所を得たからか、動画の中の梶原はテレビよりもイキイキとして見える。また、世間で話題となった芸人をゲストに招くこともあり、注目度の高いチャンネルであることは間違いない。

 2003年、梶原は心身の疲労から2カ月半に渡って芸能活動を休止。また、次長課長・河本準一の母親の“生活保護受給問題”を受け、2012年5月に、梶原も自身の母親が生活保護を受給していることを告白。世間からバッシングを浴びたこともあった。

 2012年9月には、レギュラー番組『はねるのトびら』(フジテレビ系)の放送が終了。その後、梶原はテレビで思うような活躍ができず、一念発起してYouTubeに参入した。はじめのうちは“アンチ”も多かったが、みるみる登録者数を伸ばしていき、当初の目標より5カ月ほど早く100万人を達成。現在、206万人の人気チャンネルだ。テレビの人気は、最終的にYouTubeには影響しなかった。