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2017/08/31

【オリックス】球史に残るスイッチヒッター・西村徳文ヘッドコーチに後継者育成を望む

文春野球コラム ペナントレース2017

スイッチヒッターとはまるで「両きき用はさみ」のような前世紀最大の発明

 あぁ楽天が羨ましい。松井稼頭央というスイッチヒッターの中のスイッチヒッターがいるのだから。西武も羨ましい。金子侑司というスピード溢れるスイッチヒッターがいるのだから。やはり千葉ロッテも羨ましい。加藤翔平という高い身体能力を誇るスイッチヒッターがいるのだから。この際、日ハムも羨ましい。杉谷拳士という持ち前の明るさと高い適応能力でチームを盛り上げるスイッチヒッターがいるのだから。

 スイッチヒッター。何と素敵な響きであろうか。「右投げ両打ち」と聞けば投手・捕手以外はどのポジションでも守れるのではないかと錯覚してしまう。首脳陣のプラトーン・システム崇拝にもまさに「左右」されない。ホーム側からでもビジター側からでも打席時のお顔を拝見出来る。少年の心のまま大人になった我々野球ファンにとって、スイッチヒッターとは水陸両用のモビルスーツのようなもの、いや、まるで「両きき用はさみ」のような前世紀最大の発明なのではないだろうか。

 かつてBsにも様々なスイッチヒッターが在籍し、その勇姿を我々に見せてくれた。古いところでは松永浩美にセギノール、比較的新しいところだと早川大輔(現・Bs2軍コーチ)に赤田将吾(現・埼玉西武2軍コーチ)といったところか。現状、助っ人選手を含め各々の個性が整いだしたBs野手陣。しかし、何か物足りないと思うのは自分だけなのだろうか。贅沢な話である事は理解しているがスイッチヒッターが見たいのだ。そうスイッチヒッター不足の禁断症状が出てしまっているのである。

利き手の左右を問わずプレーが出来るというのはスポーツに与えられた絶大なアドバンテージ?

 我々ミュージシャンが愛用する楽器には利き腕の左右がある。弦楽器であればストロークを行うのが利き腕で、運指運動を行うのが利き腕と逆の腕となる。右利きのプレーヤーであれば右手側に楽器のボディーがきて、左手側にネックがくるように設計されているのだ。特に「オーソドックス」や「レフティ」による演奏へのメリット・デメリットは無く、決まって「右利き用」「左利き用」を固定して使用している。勿論、左手が器用とか右手が力強いとか個人による差はあるかとも思うが、この曲では「オーソドックス」を、この曲では「レフティ」を等と使い分ける事は皆無である。

 強いて言うならば、「ステージに向かって右」の上手(かみて)側に立つ機会の多い自分は、ドラマーとアイコンタクトを取る際に必然的に楽器のボディー側を向く事になる。もし「ステージに向かって左」である下手(しもて)側に立つ事があれば、その際は「レフティ」の楽器を使えば、ボディ側を向けばやはりドラマー側を向く事になるので、アイコンタクトはスムーズなのかとも思う。しかし、あっさり顔だけ左に向ければドラマー側を向く事が可能なので、やはり持ち替えるメリットが無い。何と面白みの無い話であろうか。

 そう考えると利き手の左右を問わずプレーが出来るというのは、やはりスポーツにのみ与えられた絶大なアドバンテージなのではないだろうか。確かにサッカーでもテニスでも、スポーツであれば左右を均等に使える事に大きなメリットが生まれると思うのだ。

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