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【オリックス】野球ファンの心を躍らせる魔法の数字「150」

文春野球コラム ペナントレース2017

2017/08/30
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魔法の数字「150」のニュース

 音楽業界では遂にデジタル音源を含めた音楽ソフトの売り上げが150億ドルを突破した。CDが売れない時代と言われて久しいが、もはや音楽ソフトはデジタル音源で購入するのが当たり前になったという事か。また「初音ミク」に代表される同人音楽。こちらも順調に発展を続けており、遂に日本市場が150億円規模にまで成長したという。「前前前世」が一躍大ヒットとなった映画「君の名は。」は興業収入が150億円超と話題になっていたのだが今となっては250億円すら突破していると言う。神戸港・大阪港も今年で開港150年を迎えるというではないか。以前、ブラジルのビーチ「コパカバーナ」で開催されたローリングストーンズのライブは何と150万人を動員、ビーチをストーンズファンで埋め尽くしたという。

 えっ? さっきから何の話をしているのかって? いやいや、これが文春野球コラムだという事はじゅうぶんに理解している。理解したうえで今回言いたいのはこれら「150」についてなのである。と言うのも、野球ファンは皆「150」が大好きである。速球の目安は150km/h、特大ホームランも150m。素因数分解すると2×3×5の2乗。我々は何とこの「150」という数字に魅せられている事だろうか。言うなれば「ワンフィフティ」。野球ファンの心を躍らせる魔法の数字なのである。
 
 8月に入って急激に状況が好転する事を願った我らがBsだったが、ここまで◯●●−◯◯−◯●◯◯●●−●●−●◯◯−◯●−●◯◯と11勝10敗(8月28日現在)。特に上位2チームとの対戦カードに負け越しが目立ち、結果的に西武を苦しめる要因にしかなれていない。しかし、折々に明るいニュースが飛び込んで来たのもまた事実。ここは現実から目を背け、明るいニュース、しかも皆が大好きな魔法の数字「150」のニュースについて語ってみようかと思うのだ。

「150km/h右腕」山本由伸投手の1軍デビュー

 まず最初の「150」は「150km/h右腕」山本由伸投手の1軍デビューである。2軍では神がかった成績を残していたドラ4高卒ルーキー。父親が巨人の高橋由伸監督のファンである事から名付けられたというその名前。生まれた時から野球界の宝になる事を運命付けられているかのようではないか。「150キロを超えるストレートと多彩な変化球」、こう聞いて心躍らない野球ファンはいないだろう。残念ながら継投が捕まり、初勝利こそお預けとなったが、その存在をアピールするにはじゅうぶんなデビュー戦であった。こうなれば「150km/h右腕」の今後の活躍から目が離せない。先日、ルーキー一番乗りでの初完封勝利を飾った山岡泰輔投手との本格右腕コンビが、きっと金子千尋投手−西勇輝投手の後継者となってくれる事であろう。

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 続いてはT-岡田選手の「150」。遂に通算150本目のホームランを放ったT-岡田。そのホームランは吉田正尚選手、マレーロ選手に続くBs1イニング3発目のホームランで、見ている側にもあまりにすごいインパクトであった。やはり彼は生粋のホームランアーティスト。150号と言わず200号、250号とその記録を伸ばして欲しいと切に思う。やはり我々Bsファンは心からT-岡田を愛してしまっているのだろう。

 そして最後に平野佳寿投手の「150」。こちらも通算150セーブの大記録に到達である。今シーズンはWBCに始まり開幕カードでの被弾、途中に志願の2軍再調整など平野投手にとってはどうにも動きの激しいシーズンのようだ。守護神として長くBsを支えてくれた彼も、シーズンを追うごとに苦悩のピッチングが目立つようになってきた。ここはひとつ、この150セーブの樹立を機に再度パ・リーグ5球団に引導を渡す、絶対守護神の復活に期待したいと思っている。

27日の西武戦で通算150セーブを達成した平野佳寿 ©文藝春秋
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