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ダンディ坂野53歳・CM契約数は独走状態…「テレビから消えた芸人」がしぶとく生き残れた理由

ダンディ坂野インタビュー #1

2020/08/30
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ダンディ そんなわけでサンミュージックのお笑い芸人としてはもっとも古株の部類ですし、上の立場ではあるんですけど、「ネタ見て下さい」とかって若手から指導を仰がれることはほぼないですね。来るんだったらいくらでもアドバイスしますけど、誰も来ないんですよね、不思議と。

 

みなさんが思うほど暇でもなく収入もきつくない

――しかし以前、小島よしおさんに取材したときは大好きな先輩としてダンディ坂野さんの名前を挙げられていました。

ダンディ それは小島が自分の好感度をあげようとしたんじゃないですかね(笑)。ただ誰がいい悪いじゃなく、我々「一発屋」と呼ばれるカテゴリーでもっとも花火がデカかったのは、小島だったんじゃないかと思います。それこそ、レイザーラモンHGさんやコウメ太夫さんといった一発屋のメンバーで「もっともでかい“一発”を放ったのは誰か?」みたいな話をしたことがあるんです。そのとき参加していた髭男爵の山田ルイ53世が、「ダンディ坂野が1発だとしたら小島よしおは2発」みたいなことを言ってましたが、それくらい小島のブレイクの仕方はすごかったんです。

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 ただ、急激に仕事が増えて突然、全国民に顔を知られるという特性を持つ「一発屋」だけに、その副作用で、ちょっとテレビで見なくなっただけでものすごく落ちぶれたように見られがちなんです。

 テレビに呼ばれたとしても、「あの人は今」枠。こちらも演出の意図に沿って「いやいやもう、僕らなんて昔に比べたら全然」みたいな態度をとるんですけど、実際には先ほどお話ししたように、事務所のおかげもあってみなさんが思うほど暇でもなく収入もきつくないという、まったくテレビ的に面白くない真実があったりして。かといって嘘をつくのも嫌だし、企画の意図を逸脱するのも申し訳ないので、そういうときはなるべく黙ってるようにしてるんです。せっかくテレビ出てるのに黙ってちゃダメなんですけど(笑)。

写真=末永裕樹/文藝春秋

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