「ゲッツ!」で大ブレイクを果たしたお笑いタレントのダンディ坂野さん。15年以上にわたって変わらない芸と外見をキープし続ける裏には、並々ならぬ努力が隠されていた。FUJIWARAの藤本敏史さんから「お前の働き方は女優さんみたいや」と言われた理由とは? YouTubeチャンネルも始めたというダンディ坂野さんの今後の展望についても聞きました。(全2回の2回目。#1から続く)

ダンディ坂野さん

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マツモトキヨシCM抜擢の経緯

――2002年にマツモトキヨシのCMに起用されたことがブレイクのきっかけということですが、CMに抜擢された経緯はどういったものだったのでしょうか。

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ダンディ坂野(以下、ダンディ) マツモトキヨシさんのCM担当者の方が、さくらんぼブービーという以前うちの事務所に所属していた芸人を見にお笑いライブに来ていたんです。彼らはすでにマツモトキヨシさんのCMに出ていたんですが、芸人シリーズみたいなかたちでその後のシリーズを続けることになったらしく、「じゃあ次はダンディ坂野なんてどう?」という話になったらしいです。

 CMに出たことで一気に「ゲッツ!の人」として有名になりましたが、「ゲッツ!」自体は正直、そんなに面白くないんですよ。目の前で僕が声張って「ゲッツ!」ってやったら1回目は「うわっ」ってなると思うんですけど、3回も見たら「……で?」ってなるような芸というか、これ以上でもこれ以下でもない芸だと自分で思っているんです。

 

本来は「ゲッツ!」のあとの言葉がオチだった

――でも「ゲッツ!」と決めたあと会場がシーンとなったとき、「サンキュー サイレンス」と仰っていたのを拝見したことがあるのですが、誰もが使える汎用性の高いギャグですごいなと思いました。

ダンディ それは本当に静かだったから言っただけだと思いますね。今は「ゲッツ!」のあとに少し間をおいて「サンキュー  ソー マッチ」しか言ってないんですけど、前は「サンキュー  フォン・ド・ヴォー」とか「OK  マニュファクチャー」とかいろいろ変えてたんです。言葉の意味ですか? まあ、察してください。

 だから本来は「ゲッツ!」のあとの言葉がオチになっていたんですが、CMで「ゲッツ!」が流行ったために、「黄色いスーツを着たゲッツ!の人」になったんです。