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「ダンディ坂野」というキャラが生まれるまで

――ご自身はいつも「黄色いスーツのダンディ坂野」というキャラクターを演じている、ということですよね。

ダンディ そうですね。スイッチを入れて演じています。なんとなくいそうかなと思って、「ダンディ」っていう名前は適当につけました。まあ、あんまりそこは大事じゃないかなと思って。このキャラは、『サタデー・ナイト・ライブ』のエディ・マーフィと、アカデミー賞授賞式のスピーチから生まれたんです。アメリカのスタンダップコメディの大仰な身振り手振りや、お礼の言葉と一緒に小ネタやジョークを挟むハリウッド流のスピーチが面白くて、それらを融合してできたキャラが「ダンディ坂野」なんです。さらにその中で、お客さんに指をさすポーズから発展していったのが「ゲッツ!」でした。

 

正直、この体型をキープし続けるのはかなりしんどい

――ブレイクから15年以上が経ちますが、芸も外見もずっと「現状維持」されています。簡単そうに見えて、実はとても大変なことではないでしょうか。

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ダンディ ちょっと変な言い方ですが、僕にとっての向上心は「一定を保つこと」なんです。「これくらいでいいや」っていう気持ちでやっていると、同じ芸でもどんどん質が下がっていくんじゃないかなって。

 僕は今年で53歳なんですけど、2002年にマツモトキヨシさんのCMのために作ったオーダーメイドのスーツから一切、服のサイズは変えていません。でも正直、この体型をキープし続けるのはかなりしんどいです。もうおじさんなんで。でも、80年代のアイドルに憧れてこの世界に入った身としては、大好きなトシちゃん(田原俊彦)がずっとあのスタイルをキープし、足を上げて歌って踊って輝いているのを見ると、僕も「あのときの『ゲッツ!』の人」というイメージを保たなくちゃと思うんです。

 

 実際、53のおじさんにしては女子力高いなって自分でも思ったりします。首のシワで年齢がわかるって聞いてからは、毎晩美容ジェルを首から顔までしっかり塗って寝ています。いえ、そんなに高いものじゃないですよ。奥さんが買ってきてくれたもので、気に入ったものを使い続けているだけなんですけどね。目尻のシワはまだそんなに出てきてないんですが、メイクで隠すと逆にシワ感が出るので、目周りのファンデーションはかなり薄めにしてもらって。僕なりのこだわりがいくつかあるんです。

 そうそう、一時期急に髪が薄くなって「ゲッツが髪の毛抜けてハゲッツ!」とかって言ってたら、数年前にアデランスさんのCMに起用してもらえたんです。おかげで頭皮ケアの方法も学ばせてもらえて、今でも実践しています。