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「露出度が高いユニフォームを着ていないと、誰も見てくれないよ」 それでも女性アスリートが“撮影禁止”を求めない理由

2020/12/06
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法を整備してもらうのが一番の願い

――おふたりが声を上げ、JOCまでが動いて、この問題を多くの人に知ってもらうことができました。アスリートとして、競技以外の面でも社会に影響を与えられたのではないでしょうか。

ハナ この問題が解決しない限りは、よかったとは思えないかもしれません。今回の声明文に合わせて、JOCが情報提供を求める新しいサイトを立ち上げました。でも、アメリカ大統領選挙の報道などと重なり、あまりSNSで流れてこなくて。それをみんなに見てほしかったんですけれど……。

カオル まだ、序盤の序盤です。サイトを立ち上げて終わりだったら今までと変わらないですし、法的な対応が整って初めて、「言ってよかったな」と安心できます。

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©️iStock.com ※写真はイメージです

――やはり、法を整備してもらうのが一番の願いですか?

カオル 残念ですが、法規制がないと減らないと思うんです。取り締まられた前例がない限り、「やめよう」とか「気をつけなきゃ」と思わない人の方が多いと思うのが実情だと思います。

ハナ 何もできないんですよ、現状だと。写真を削除しようと思っても、時間もお金もかかります。そもそも、陸上のユニフォーム姿を撮ったからといって基本的に罪にはなりません。性的ハラスメントを行っている人は、だめだと分かっていて、むしろ相手が嫌がる姿を見たくてやっている面もあると思いますし。厳しいですが、法整備が整わない限り、現状は大きく変わらないのではないでしょうか。

「露出度が高いユニフォームを着ていないと、誰も見てくれないよ」 それでも女性アスリートが“撮影禁止”を求めない理由

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