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「露出度が高いユニフォームを着ていないと、誰も見てくれないよ」 それでも女性アスリートが“撮影禁止”を求めない理由

2020/12/06

 ユニフォーム姿のアスリートを狙う、悪質な撮影行為。「スポーツ界全体の問題だ」と声を上げた20代の女子陸上選手のハナさんとカオルさん(いずれも仮名)の思いを受け、JOC(日本オリンピック委員会)は、性的ハラスメントに競技横断的に対応しようと奔走している。

 選手たちが一番に求めるのは法整備だが、実現までには長い道のりが待っている。法整備まで手をこまねくのではなく、具体的に何ができるかも重要だ。ハナさんとカオルさんが、動き出したスポーツ関連団体への期待と不安を語った。(全2回の2回目。前編を読む)

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「研修って、誰がするんだろう?」

――11月、JOCなどが出した声明文には、

(1)各競技団体が独自に行ってきた被害防止の取り組みを共有
(2)アスリートが自衛するためのネット研修の実施
(3)一般向けに情報提供サイトを設置

​といった内容が盛り込まれました。第一歩として、どう受け止めますか?

ハナ 陸連(日本陸上競技連盟)やJOCの中にも、性的ハラスメント被害を知らない方が結構いたと思うので、声明文という形になったことは嬉しく思います。

 ただ、研修って、誰がするんだろう? という不安もあります……。現在、最前線で陸上競技をしておらず、性的被害を受けていない人たちが、どうやってその研修をするのか、と考えてしまうんで。「そんなことがあるらしいぞ、気をつけろよ」程度の内容だったら、不安が残るだけだなと。

――具体的に、どんな対策ができるかを指導してほしいということですね。

ハナ 自分を守るために何ができるのかとか、競技ユニフォームひとつとっても、いろいろ選ぶ権利があるんだよとか。きちんと教えてほしいことがいっぱいあるから……。

公益財団法人日本オリンピック委員会HPより

――写真や動画をアップする中で気をつけなければいけないこと。経験者のおふたりだからこそ分かることもあるし、中高生に伝えたいこともありますよね。

©️iStock.com ※写真はイメージです

カオル 今はSNSが普及しているので、何も考えずにアップするとその写真がどう使われる可能性があるのか、ちゃんと知るべきだと思います。例えば更衣室で自撮りすると、周りの着替えている子まで写ってしまいかねない。それを悪用する人はいます。自分だけじゃなく、周りにも被害が出る恐れがあると理解した上で、写真をあげた方がいいと思うし、そういうSNSの使い方をもっとちゃんと中高生に教えてあげるべきだと思っています。