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「露出度が高いユニフォームを着ていないと、誰も見てくれないよ」 それでも女性アスリートが“撮影禁止”を求めない理由

2020/12/06
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陸上が好きで、きらきらしているところを撮りたい人もいる

――一方、競技中の撮影は、選手にコントロールできない部分でもあります。そもそも、こうした問題には20年ほど前から競技団体も頭を悩ませてきました。例えば体操やビーチバレーは一般客の撮影を原則禁止していますが、陸上では撮影を認め、頻繁に見回りをして不審者に声をかけるという対応を続けています。

ハナ その方法でやっていくしか、仕方がないです。大きい試合ならば、観客席の隣やすぐ後ろで怪しい行為をしている人を見かけたら通報してほしい、と呼びかけるのが今は一番いいのかなと思います。小さい大会なら、大きいカメラを持っているような方が目に付いたら、声をかけてもらう、などでしょうか。できるだけ、どこの試合でも警備員や巡回する人をつくる形で対応していただきたいです。被害が最小になるような流れを作る、今はそれしかできないとも感じています。

©️iStock.com ※写真はイメージです

――陸上でも撮影禁止を、という規制までは求めないですか?

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カオル 陸上競技を多くの人に知っていただくためには、撮影禁止を求めることは難しいかもしれないですね。陸上でも100mなどの花形種目ならみんな知ってるでしょうけれど、全種目となると、知名度のためには……難しいところだなと思います。撮影を一律禁止したら確かに被害は減ると思うのですが、陸上界全体を盛り上げるためには……。サッカーなどメジャーなスポーツに比べると、スポットライトが当たることが少ないですから。

ハナ 自分の宣材写真を、陸上が好きで写真を撮りに来ている子にお願いする人もいるんです。友達にも、陸上がすごく好きで、みんなのきらきらしているところを撮りたくて、競技場に足を運んでいる人もいます。そういった方との接点を全てなくしてしまうことは望みません。だから、撮影の機会は残してほしいと思います。