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3横綱不在の大相撲秋場所 何が「読売親方」を激おこさせたのか?

あるいは「朝日親方」の鮮やかな“立ち合いの変化”

2017/09/29
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稀勢の里について、産経が言うことには

「稀勢の里休場」に関しては産経新聞の記事が興味深かった。ファンの声が紹介されていたのだ。

《劇的な逆転優勝を遂げた3月の春場所を振り返り、「けがを押して出場する姿を美談としてたたえてしまった。結果的に治りを遅らせてしまったのでは」と後悔をにじませた。》(9月9日)

 新横綱として迎えた春場所で左腕を負傷しながら逆転優勝した件だ。

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 稀勢の里はなぜあのとき強行出場したのか。

 横綱昇進の過程が論議を呼び、絶対に休めない、優勝しなくてはいけないというプレッシャーがあったからだろう。

稀勢の里も休場だった秋場所(写真は今年の名古屋場所) ©三宅史郎/文藝春秋

横綱昇進ムードと横審の“罪”

 そもそも今年の初場所がはじまる前に「今場所は稀勢の里の綱とり場所」と横審の誰も言っていなかった。横審・守屋委員長(当時)の昨年末の発言「来場所で優勝しても、もろ手を挙げて賛成とはならない」はサンスポであらためて振り返られていた(1月20日)。

 ところが初場所で稀勢の里の連勝が続くと「ムードが高まり」、優勝決定前に一気に横綱昇進決定。

 翌場所ケガをしても稀勢の里が出場を強行したのは「“だから横綱昇進は早かった”と言われないため」という思いがあったはず。

 そう考えると、稀勢の里の休場が続くことに関しては横審の罪も大きいと言えまいか。

 以上「休場の多さの要因」各紙指摘の読み比べでした。

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