ムード歌謡漫談で活躍し、志村けんや関根勤に絶賛された“知る人ぞ知る”マニアック芸人・タブレット純さん。10月1日に渋谷・LOFT9 Shibuyaで開催される古本市「LOFT9 BOOK FES. 2017」では、地下アイドル・姫乃たまさんと「闇を抱える読書」をテーマにトークイベントを開催する。風貌から芸風まで、謎に包まれたご本人にデビュー前からの歩みを聞いてみた。
◆
僕にとっての相撲は、結局、麒麟児なんです
――今回は古本市のイベントに出演されるわけですが、タブレットさんはもともと古本になじみがあるんですか?
タブレット そうですね、高校卒業してから10年間、八王子の古本屋に勤めていたということはあるんですけど、もともとは小学5、6年の頃から古本屋に行くのは好きだったんです。特に探していたのは相撲雑誌のバックナンバーなんですけど。
――相撲雑誌というと『相撲』ですか? 『大相撲』ですか?
タブレット 『相撲』のほうです。こっちのほうがエンタメ性があって好きだったので。
――わざわざバックナンバーを探した理由が気になります。
タブレット 僕、麒麟児(和春)が好きだったんです。追いかけていた頃はもう関脇から陥落して、番付では前頭の上位と下の方を行ったり来たりしていたんですけど、なんかそういう感じが好きだったんです。麒麟児といえば突っ張り相撲で有名で、富士櫻との突っ張り合いは昭和天皇も身を乗り出してご覧になったほどの語り草ですよね。そんな押し出しの強い力士の、晩年の枯れた雰囲気とかたまらなかったんですよ。『相撲』のバックナンバーを買っては、麒麟児の記事を探してスクラップして楽しんでました。気に入って額に入れた記事もありましたね。
――今も相撲は好きで観ているんですか?
タブレット あの頃ほどではないですね。僕にとって相撲は、結局、麒麟児だったんですよ。