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寒くなってきたら、千歳烏山「ファミリー」の「肉ねぎそば」を食べよう

とろとろのスープに、ほっとする季節

2017/10/31

genre : ライフ, グルメ

note

 立ち食いそばは駅前や大きな街の商店街とか、街道筋とかにあることが多い。しかし、中には路地裏にひっそり存在する店もある。春菊天などの天ぷらがうまい東日暮里にある「浜田屋」、パクチー天が秀逸な飯田橋北側の新小川町にある「稲浪」、そして今回紹介する千歳烏山にある「ファミリー」が代表的である。

ひっそり系の極意

 千歳烏山駅を南に降りて、駅前のスーパ-シミズヤの路地を入って少し下ると「ファミリー」の白い暖簾が現れる。裏路地で決していい立地ではないのだが、店に入るといつでも先客がいる。トレンドなそばを提供しているわけでもない。ひっそり系の極意がそこにはあるのだろう。

ひっそりと

 久しぶりに「ファミリー」を訪ねてみた。

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 若主人が元気に忙しく働いている。お店は女将の倉田ふじ子さんと息子さんの若主人ふたりで経営している。カウンターには常連さんだろうか、OLさんと妙齢の女性がそばを食べていた。

 ラジオが流れている。

「ファミリー」は7人も入れば一杯になるL型カウンターの店である。カウンターは赤くやや高い。かつて立ち食いであったことがうかがえる。今は丸椅子が並ぶ。しばらくして女将がにこやかに登場した。お変わりなく元気そうでなによりだ。

女将はお変わりなく元気そうでなによりだ

「ファミリー」のそば・うどんは下高井戸の池田製麺の茹麺で、そば・うどんの他に細うどんも仕入れている。湯通ししてもしっかりとしたタイプである。

 つゆはかつお節で丁寧にとった出汁の香る紫の映えた透き通ったタイプ。白い器に注がれるとつゆの赤い色が大変きれいだ。

「ファミリ-」の人気メニューは、かき揚げをのせた「天ぷらそば」380円、「肉ねぎそば」400円、そして「カレーそば」400円、「カレー」400円である。