親が“大物”や“スター”と呼ばれる芸能人やスポーツ選手の子供たち。いわゆる“二世”は、どのような環境に身を置き、どのような思いを抱いて親を見つめ、どのようにして自身の進むべき道を見出したのか?
「news every.」の特集リポーター、「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターとしても知られる、モデルの尾花貴絵(29)。
ヤクルトスワローズの先発投手として活躍し、福岡ソフトバンクホークス(旧:福岡ダイエーホークス)のコーチや横浜ベイスターズの監督などを務めてきた尾花高夫(64)を父に持つ。
“単身赴任状態”だった父との日々、バレエとの出会い、成人してから抱いた”高身長コンプレックス”などについて聞いた。(前後編の前編/後編を読む)
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王貞治に、ドル札でお小遣いをもらった幼少期
ーーお父様は球界の人なんだと、早くから意識はされていましたか?
尾花 あまり意識したことがなくて。この世界に入って父について聞かれたりするようになって「あっ、あの時のあれってそういうことだったんだ」と気づくことが多くなったんですね。
もともと小学校なんかでも「お父さんって野球でどうのこうの」とか言われたこともありませんでした。父の現役時代は、まだ私は生まれていなかったし。
ただ、私が小学生だった6年間に父は福岡ソフトバンクホークスのコーチを務めていて単身赴任状態だったんです。なので、ほかの家と比べて「お父さんって、いつも家にいないなぁ」という寂しさは感じていましたね。
ーーどんな仕事をしているかわからないけど、とりあえず家にあまりいないお父さんという認識だったわけですね。
尾花 わかっていなかったです。でも、小学1年か2年の時にホークスが優勝したときには優勝旅行で私もハワイに行っているんですよ。
私としては「ハワイに行ける!」みたいな感覚しかなくて。監督だった王(貞治)さんにお小遣いを頂いた記憶はあるんですよ。なので、実は王さんのことを「お小遣いをくれるおじちゃん」と思っていたんです。ほんと失礼な話ですよね。
ーーサラッとすごい出来事ですね。
尾花 優勝旅行で食事をご一緒したら頂いて。小学校の入学とか、そういう節目にもお祝いは頂きましたね。
ーーちなみに、ハワイの時のお小遣いって。
尾花 ドル札で頂きました。
ーーハワイにいたからですか。お父様は、自宅に賞状みたいなものを飾ったりはされていなかったのですか?
尾花 そう思われるみたいで、よく聞かれるんですけど、まったくそういったものを置いたり飾ったりしないんですよ。トロフィーだけじゃなく、グラブとか選手時代に使っていたものも一切飾ってなかったので。野球選手の家といった雰囲気はものすごく薄かったです。
ただ、イチロー(鈴木一朗)選手とか、松井(秀喜)選手とか、王さんとか、そうした方々と父が一緒に写っている写真は飾っていました。