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亀山 敬司
2017/11/28

自分の考えを部下に浸透させるにはどうしたらいいですか――DMM亀山会長の人生相談

DMM亀山会長に聞いてみた。

Q 自分の考えを部下に浸透させるにはどうしたらいいでしょうか?

 会社で管理職を務めていますが、若手社員に手を焼いています。こちらの意図を汲み取ることが出来ず、指示とまったく違う行動をすることも多く、いちいち説明し直さないといけないため無駄な労力がかかっています。自分の考えを部下に浸透させるにはどうすればいいでしょうか。(40代・男性・会社員)

A 思い通りに動かない部下はむしろ面白い。頭ごなしに説教するより、考える機会を与えたほうがいいと思うよ。

 この間、古参の社員と雑談してたら、「僕は会長の言いつけを守って、赤信号では横断歩道を渡っていません」と、言い出してね。何のことかと思ったら、20年前に一緒に歩いていたときに、赤信号を渡ろうとした彼を俺が注意したらしいんだ。なんでもその時は横に小学生がいたらしく、「子供が見てるだろ」って。

 それ以来、彼は車が来なくても赤信号のときは止まり続けていたらしい。「いやいや、子供がいなくて車も来ないなら俺は渡るから。渡るに決まってるじゃない」って返すと、「えー? じゃあ僕の20年間はどうなるんですか!」って言われた。勝手に勘違いされても、「そんなの知らねえよ」って話(笑)。

 まぁこれは、俺の気まぐれを真に受けた生真面目な奴が、超真面目になったっていう話だから、大した問題でもないんだけど、これが仕事だと知らぬ間に損をするから困るよね。

 これはもう少し前の話なんだけど、会社の定期報告書を見てたら、「DVDとVHS(ビデオテープ)販売率比較」っていう分析ファイルを見つけてね。「これは誰の依頼なの?」と社員に聞くと、「さあ? 上司からの指示でやってるだけなんで」と。

 よくよく調べてみると犯人は俺で、10年以上前に出した「VHSとDVDのシェアを分析して」という依頼が、そのままずっと続いていたらしいんだ。でも、それはVHSの止め時を計るために頼んだもので、製造終了したVHSを今更調べてるなんて意味がない。だから、「それくらい考えてよ」って話(泣)。

 こんな風に、部下があきらかに無駄な作業を続けてしまうのは、「この仕事が何のため必要なのか」を考えていないから。言われたことを忠実にこなすのが仕事だと思っているからだよね。でも、そんな社員ばかりになったら会社は大変。特に、これからはAI(人工知能)がどんどん作業をしていく時代だから、「忠実に命令を実行する社員」より「自分の考えで動ける社員」を育てないといけない。

 たぶん今までのあなたは、部下に指示を出し続けてきたと思うけど、ちょっとだけやり方を変えてみたらどうかな。

 部下が「A案、B案、どちらがいいですか?」と聞いてきたら、直ぐに答えずに「お前はどっちがいいと思う?」と問い返す。そして、答えが正解なら褒めてあげるし、間違いなら理由を教える。それを日々繰り返すだけでも、部下は考え出すよ。さらに、正解率が70%を超えたら「あとは任すから自分で決裁しろ」と、権限委譲する。

 部下に責任を持たせたら、彼らは自然と成長するよ。「俺が教えてやる」じゃなくて、「ケツは俺が持つからやってみろ」のほうが、これからの変化に対応できる人財になる。

 同じ労力をかけるなら、部下を手足にするより頭にしたほうが、左うちわになれるよ〜!

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