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立ち食いそば“東京砂漠”の有楽町に見つけた「都そば帝劇ビル店」普通の幸せ

知られざる大阪進出成功秘話も

2018/01/09

genre : ライフ, グルメ

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 有楽町駅には以前は立ち食いそば屋がいくつかあった。朝、駅の改札を出るとつゆの香りが漂っていた。しかし、「後楽そば」は2016年に閉店、「新角」も耐震工事中で再開はまだ先のこと。「はないち」は11時開店なので昼以降の店である。つまり、朝の時間は「立ち食いそば砂漠の駅」となっている。

立ち食いそば「東京砂漠」の有楽町には、まだオアシスがある

 しかし、嘆き悲しむことは無用だ。駅から皇居側に少し歩いて行くと堂々とした外観の帝劇ビルが現れる。このビルの地下2階に朝7時から営業している立ち食いそば屋がある。それが「都そば帝劇ビル店」である。便利な立地だがその存在は意外と知られていない。

今日は帝劇

「都そば」と聞けば、『私もよく食べていたよ』という諸氏も多いと思う。現在では大阪で人気のチェーン店という印象だが、渡辺勝仁社長に伺うと驚くべき話が返ってきた。 「都そばはもとは東京からスタートしたんです」

「都そば」は昭和37年、今の有楽町のマリオン(かつての日劇)があったところでスタートしたそうだ。

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 立ち食いそば屋の老舗の「梅もと」がスタンドそば屋を始めたのが昭和40年。「富士そば」や「小諸そば」はさらに時が下る。「都そば」は「梅もと」の3年前というから老舗中の老舗ということもできる。