ニュー新橋ビルは何かと便利だ。生ジュースの店でビタミンを補給できるし、紳士服の店や靴屋、格安チケット、乾物屋、炒めパスタの店もある。豚大学なんて店もある。宝くじ売り場も大行列。地下に行けばほぼ飲み屋だ。上の階には診療所もあるし、住居スペースがあればニュー新橋ビルだけで暮らしていけそうだ。立ち食いそば屋もたくさんある。小諸そばや箱根そば、そして今回紹介する丹波屋もある。
「青唐辛子の醤油漬け」で、客は思い思いの辛さにして食べる
「丹波屋」は昭和58年にニュー新橋ビルに入居した古株だ。大大将の上田さんとその息子さんの若大将とネパール美女たちで切り盛りしている狭小立ち食いそばの旗手といってよいと思う。
出汁はかつお節、宗田節、鯖節をふんだんに使い、やや薄色の返しを合わせるつゆは丹波屋独特の味だ。この味にひかれて多くの客が朝から並んで開店を待つほどだ。
麺はスペースの関係と提供時間を考え、そばはむらめんの茹で麺を使う。カウンター上には「青唐辛子の醤油漬け」があり、客は思い思いの辛さにして食べる。立ち上がるつゆの香りとアツアツのそばのバランスが絶妙である。
また、サイドメニューのミニカレー280円は立ち食いとは思えない出来栄えである。かつて勤めていたネパール人のレシピを使って完成させたというそのカレーには5種類のスパイスやタマネギやトマトなどが使われており、カレー専門店の味といってもいいくらいだ。平日は10時半から、土曜日は11時過ぎから提供している。