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「次期監督を報じたら取材拒否」 阪神の“メディア圧力通達”を入手

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 前出の記者が呆れて言う。

「つまり球団側の指示に従わない場合は、“出禁”にするということ。しかも〈無期限〉で。記事の内容に制限を付けるのも問題ですが、取材をさせないというのは異常事態です」

通達された文面

糸井嘉男の引退報道についても通達が…

 実はこの数日前にも、球団広報は報道各社に通達を送っている。今シーズン限りでの引退報道のあった、糸井嘉男についてだ。

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「5日の朝刊で『デイリースポーツ』などが去就について報道。するとその日、広報責任者から『今後は球団から新たにアナウンスするまでは静観せよ』『本人、球団フロント、監督、コーチ、選手への取材はやめろ』との連絡が届いたのです。他紙に対して、後追い取材をするなということでしょう」(スポーツ紙デスク)

 立て続けに出された報道規制“文書”。今までも報道内容に対して広報が口頭で注文を付けることはあった。だが「文書で露骨にやるのは過去に例がない」(同前)。背景にはコロナの影響もあるという。

「感染防止を理由に、球団がお膳立てした機会でしか取材できなくなり、球団がメディアに対して強い立場となった。また現場の広報責任者は広報歴が長く、周囲も口を出せない状況なのです」(球団関係者)

 監督人事はファンの一大関心事。報道を封殺するのが広報の仕事なのだろうか。

「次期監督を報じたら取材拒否」 阪神の“メディア圧力通達”を入手

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